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プラム・ターツ 第七章 ロッキー 彼らは後退しながら、無数に飛び掛ってくるプラム・タートにレーザーを浴びせていた。命中するレーザーも多いが、数が多すぎて切りがない。リリーは手錠をかけられ、何もできずに焦っていた。 「火炎放射するのよ。」彼女は叫んだ。しかし誰も彼女の言うことなど聞いていなかった。 プラム・タートは壁から天井まで這ってくる。そのうちの一匹がリリーに飛び掛った。彼女は両手を前に突き出して、顔を守る。プラム・タートの足は見事に彼女の手錠を切断し、プラム・タートは床に落ちた。 そのときまた一人ストーム・トルーパーがプラム・タートに飲み込まれた。助けを求めるが、全員自分のことで手一杯だった。リリーはその彼が放ったブラスターを手に持った。もう誰も彼女を止める者はいない。彼女はブラスターのモードを変え、プラム・タートに向けた。 味方が驚くほどの炎がプラム・タートの群れに襲い掛かった。プラム・タートは一斉に下がった。中には火が点いてもがいているのもいる。 「早く逃げて。全力で走って。」リリーは叫ぶ。 一方ラバー大尉はストーム・トルーパーたちを追い越し、バイクのトレーラーに飛び乗った。そして弱っているマルカス中佐を床に落として、バイカーと共に逃げ出したのだ。 「ちょっと、あんたどこに行くの?」リリーが言っても、バイクは走りつづけ、逃げ去ってしまった。なんてやつだろう。部下を置いて逃げ出すとは。 ストーム・トルーパーはあと四人しかいない。そしてマルカス中佐は床の上で、動けない。リリーは中佐を背負って彼らと共に走って逃げつづけた。彼女には男一人の体は重いことこの上ない。バンブを背負ってプラム・タートから逃げたジョニーの気持ちが、今になって分かった。他のトルーパーたちは火炎放射モードに切り替えて、追ってくるプラム・タートに攻撃していた。しかし群れをなしたプラム・タートは炎にもうろたえずに追跡してくる。あれから逃げ切ることなどできるのだろうか。この逃走劇はいつ終わるのか。こんどは一匹のプラム・タートではない。プラム・ターツなのだ。 「こっちだよ。」廊下から誰かの声が響いてきた。それは大尉の声でも、トルーパーの声でもない。もっと幼い、子供のような声だ。 廊下の先に立っていたのは一人の少年だった。それは紛れもなくリリーの息子ロッキーであった。しかしリリーに再会を喜んでいる暇はない。ロッキーは手招きして廊下を走り出した。リリーはストーム・トルーパーを先導し、ロッキーの後を走った。また一人トルーパーがプラム・タートに取り付かれ、あっという間に手足をバラバラに切断されてしまった。 彼らは一つの部屋へ入っていった。大きなプールのある部屋だった。 「水の中に飛び込んで。横から脱出できるよ。」 「何分潜るの?」リリーの質問に答える前にロッキーは飛び込んでしまった。「中佐、息を吸って。」そう言ってリリーは中佐を抱えたままプールに飛び込んだ。 生き残った三人のストーム・トルーパーも次々と飛び込む。ロッキーは側面にあいた穴へと進んでいった。早く浮上できることを祈って暗い穴へとついていく。プラム・タートはついて来なかった。どうやら泳げないらしい。幸いにも光はすぐに見えた。 辿り着いたのは別のプールだった。全員無事に浮上する。彼らはプールサイドに上がった。リリーは中佐を抱えるのに必死で、武器は落としてきてしまった。中佐をその場に横たえる。中佐は意識があるようで、潜水中も息を我慢していられたようだ。 そして彼女はロッキーを抱きしめた。ロッキーも母親に駆け寄ってきた。帝国軍のスター・デストロイヤーに捕まってから一箇月も離れ離れだったのだ。 「よく頑張った。本当によく頑張った。偉いよ。」リリーずぶ濡れになった息子の感触を確かめながら泣いていた。ロッキーも涙ぐんでいた。 「ずっと一人だったんだよ。」 残された任務遂行時間はあと六時間四十分。 つづく |