プラム・タート 第十三章 成功

 プラム・タートが前から来ている。それは分かっているが相手の姿が見えず、ジョニーとソルゲノは動けずにいた。
「どこにいる?」ジョニーは冷静にいようと思いながら、声は上がっていた。「見えるか?」
「見えません。通風シャフトかも。」ソルゲノは思わず足を後ろへ下げた。
 唾を呑み込んだ。「お前は先回りしてろ。後ろのドアを閉める係だ。俺が囮になる。」ジョニーは言った。
「まだパワーが回復していませんが?」
「いいから行け。俺はさっきバンブを背負って逃げ切った。俺ならできる。遠回りしてるから、そのうちに。」
 ジョニーが言うと、ソルゲノは後ろへ走り出した。ジョニーは斧を持ちながら、少しずつ下がっていった。音は止まった。プラム・タートの位置を知る手掛かりはなくなった。彼は最後に音が途切れた方を見つめた。ソルゲノが走っていく音が遠ざかる。それ以外は全く静かだった。
 それは突然飛んできた。まさに空中を切り、ジョニーの顔に剣を突き立てた。ジョニーは床に伏せた。プラム・タートは彼の頭上を飛んで床に落ちる。そしてすぐにユーターンしてジョニーの方へ走ってきた。
 ジョニーはすぐに立ち上がり、ソルゲノとは反対へ逃げ出した。プラム・タートの音はスピードを増していく。今度は荷物は斧一本だけだ。ジョニーの足も軽かった。しかし今度は武器も斧一本だった。E−11ライフルも、火炎放射器もない。彼を助けてくれるバッドもいない。この状況では斧も役に立たなかった。両手で持っていては走りづらく、結局彼は唯一の武器を捨てた。
 彼は廊下を左へと曲がっていき、ソルゲノの待機する地点へと向かった。プラム・タートが付いて来ているかどうかについては心配なく、どれだけ逃げてもあいつは追って来た。
 ジョニーはコムリンクを手に持った。「ソルゲノ!そっちに行くぞ。準備はいいか?」
『もういつでもドアを閉められます。』ソルゲノはすぐに返事をした。
 ジョニーは走った。ほとんど全力疾走だった。船の中でこれだけ運動することになるとは思わなかった。
 もうすぐソルゲノのいるポイントに着く。ソルゲノのいる十字路を過ぎたら、二番目の扉をスイッチで下ろす。その扉がジョニーとプラム・タートを隔ててくれるはずだ。もしプラム・タートが扉が閉まる前に付いて来てしまったら、ジョニーはそのまま逃げ続けることになる。
 先でソルゲノが顔を出していた。こちらが来たことを確認すると、ソルゲノは身を隠した。
「ソルゲノ行くぞ。ドアを閉める用意をしろ。」ジョニーは叫んだ。
 ジョニーはその十字路を過ぎた。プラム・タートがどれだけ後ろに迫っているかはもう分からない。彼は腕を伸ばし、自分のライトに照らし出された扉のスイッチを叩いた。
 真後ろのドアは直ちに下がり落ちた。ジョニーはそのまま数メートル勢いで走り、そして止まった。振り返ると、ソルゲノがドアを下ろす音が聞こえた。プラム・タートはどこにも見えない。しばらくして、向こうからドアを叩く音が聞こえた。
「ソルゲノ?」
『ドアは閉めました。こっちは異常なしです。』
 ジョニーは安堵した。「こっちのドアを今あいつが叩いている。どうやら閉じ込められたようだ。」
『ガスを流し込みますか?』
「俺がケルゴサイト・ガスを取りに行く。お前はパワーを戻しに行ってくれ。」それからジョニーは操縦室に連絡を取った。「ジョニーだ。プラム・タートを二枚のドアの間に閉じ込めた。これからパワーを戻す。」
 ソルゲノはパワー・ジェネレーターへ向かった。ジョニーは一度は置いてきたケルゴサイト・ガスを取りに行く。これでプラム・タートは解決した。プラム・タートが閉じ込められた場所はどこの壁も厚く、簡単には出てこられないだろう。残り時間は四時間三十分。

つづく
第十四章
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