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ボバ・フェットのベスピン脱出 カーボン凍結されたハン・ソロはスレーブIの貨物室に収まっている。ヘルメットを外したボバ・フェットは生前の父親と同じ表情で、追加装置で狭くなった操縦席に収まっている。今までジャバ・ザ・ハットの手下や賞金稼ぎが追い続けていたソロを手に入れ、ボバの心中も穏やかになり。 ダース・ヴェイダーによってエグゼクターに召集された他の集金稼ぎの何人かは、彼と同じくソロを狙っている者だったが、ボバは彼らとの競走に勝利したのだ。ヴェイダーもその争いを知りながら放置していた。カーボン凍結という心配事も必要なくなり、無事にソロは冬眠している。 しかしボバの頭は常に油断することがない。思った通りにスレーブIのハイパー・ドライブはクラウド・シティで帝国軍によって破壊されていた。操縦席に着いた時点で気づいていたが、ソロを取り返しに来た反乱軍のレイア姫がやってきたので急いで発進してきたのだ。 ハイパー・ドライブを壊したのはヴェイダーの命令ではなく、賞金稼ぎを嫌う将校たちの命令である。反乱軍の一員であるソロを賞金稼ぎの手に渡したくないのだ。そして今、帝国軍のスター・デストロイヤーが背後に迫っていた。あのデストロイヤーはヴェイダーの命令に背いてやってきているのだ。 多少の心のゆとりが生れたボバは、この挑戦状に胸踊る気分になった。デストロイヤーは一ダースのTIEファイターを放ち、バンサの糞に群がろうとするハエのようにスレーブIに飛んでくる。それに対してスレーブIは無数の地雷を散布した。先頭の何機かは避ける間もなく地雷に突っ込み、仲間が次々と火花を散らしてバラバラになるのを見て後続機は上下に分かれた。 TIE隊のリーダーは大抵後方に控えているものである。TIEは地雷により半分の数をなくし、三機がスレーブIの上に付き、あとの三機が下についた。ボバは普通なら真直ぐ飛ばす事も困難なこの機体を持ち上げ、上にいる三機のすれすれ前を通過した。しかし追跡してきた下の三機は避ける事はできず、二機が接触し、飛び跳ねたソーラーパネルが別の一機に直撃し、大きな爆発を起こす。破壊されたTIEの残骸は回転しながら宇宙の闇へと消える。 残った三機は編隊を組み直した。ボバはレーダーでそれを確認し、真正面からチキン・レースをしかけることにした。 「帝国宇宙海軍の度胸を試してみるか。」 真中のTIEがリーダー機であろう。敵機三機を正面に回して勝ったと言う自慢がよくあるが、ボバにとってはこの程度の勝負なら勝っても自慢にはならないと考えていた。相手はこの勝負に乗ってくるようだ。TIEはいつも不気味な音を宇宙になびかせている。 リーダーの命令でTIEのグリーンのレーザーが一斉に放射される。ボバは前方にシールドを集中させ、最初に当たった何発かは弾かれた。それからボバは取って置きのプロトン魚雷を放った。魚雷はリーダー機を粉砕し、両側の二機も巻き込んだ。スレーブIはその爆発を通過し、スターデストロイヤーから背を向けてハイパースペースジャンプの用意に入った。ハイパードライブは彼のアストロメク・ドロイドによって修理が続けられていたのだ。 スターデストロイヤーは追ってくる様子もなく、ベスピンを背景に宇宙に佇んでいる。ヴェイダーのエグゼクターが、命令に背いたデストロイヤーに気づいたのだ。命令違反の報いは死をもって実行される。あのデストロイヤーの艦長の命も今日までであろう。 TIEファイターや一人の艦長の損失を屁ともしない帝国の姿勢に愚かさを感じながら、ボバはハイパースペースにジャンプした。 おわり あとがき これは2004/04/16(金) にスター・ウォーズの鉄人!の交流版の「自作小説発表トピ」に投稿したものです。ひまな時に「たしかそんなトピがあったよな〜」と思いだし、思いつきで書いたものです。思い付きにより、この続きはありません。スピンオフだと、タトゥイーン上空でIG-88と対決するような話があったような、なかったような。 |