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青いドロイド 最終話 復活 通行人のほとんどは壊れたR5-W55などに興味は示さない。唯一彼女のようなスクラップに興味があるのは、下層部を徘徊するガラクタ商である。彼女は多くのガラクタ品とともにリパルサーの荷台に積まれた。 そして彼女は野ざらしのジャンクヤードに連れてこられた。R5はジャンクの山の一部となった。彼女はそこで何日も太陽に照らされ、雨に打たれ、夜の冷たい風に吹かれた。 ああ、私はこのままスクラップになるのね。このまま風化して跡形もなくなってしまうんだわ。 R5は先に希望を持つことができなかった。このあと彼女は部品取りにされる運命にあった。二度と復活されることはない。 そのはずだった。しかしある日R5は少年の声を聞いた。 「これかい?このR5?」回路に残留した過去の記録が流れているのだと思った。「こいつはちょっと大仕事だなあ。なんとか直してみるよ」 R5の体が持ち上げられる。そしてどこかへ運ばれていく。彼女はこのまま溶かされると思った。そしてしばらく意識がなくなった。 次にスイッチが入れられたとき、R5の目の前には少年の姿が映った。 「これで完璧だ。全部上手くいった」 少年が言う。ここは少年の部屋らしかった。R5は何が起きたのか理解できなかった。しかしすぐに知ることになる。彼女の体が動いたのである。これは驚きだった。 R5は口笛を吹いた。 「完璧に治った。君を治すのに苦労したよ。R2がジャンクヤードから君を選んだんだ。なんでか分かんないけどね」 R2? 少年の後ろから一体のR2が現れた。 「よう」と一言挨拶をしたそのR2は、あのR2-U9だった。彼は全身真っ赤に塗装されていた。 なんでまたあんたがいるの? 彼女が強い口調で言うと、R2は小恥ずかしい様子で言った。 いや――いじめる相手がいなくなると困るだろ……。 R2-U9もすぐにおばあさんに捨てられてしまったのだ。それから彼もいろいろな困難があってジャンクヤードに辿りつき、この少年に買ってもらったという。そして修復を受けて赤に塗りなおされた。少年ともう一体のドロイドを探しに再びジャンクヤードに来た時、彼はR5-W55を見つけて少年に示したのだ。R5を直してもらえるようにだ。 R2も悪いドロイドではなかったと、彼女はそう思った。 ありがとう。 R5が言うと恥ずかしそうにR2はそっぽを向いてしまった。しかししばらくしてこう言った。 ごめんな。これからは少しは仲良くしようぜ。 二体は大きな鏡の前に並んだ。R5は全身青色に塗られていた。そしてそのボディはぴかぴかに輝いている。彼女は自分の姿に感動した。隣りには赤いR2-U9もいる。 「さあ、お披露目だよ」 少年に連れられてドロイドたちは部屋を出た。そこには少年の両親と祖父母が待ち構えていた。 「まあ、すごいドロイドじゃない。これ全部自分で直したの?」母親が言う。 「まさかこんなに腕が立つとはな」父親だ。 少年は嬉しさを隠しきれなかった。「これでまた宇宙船に乗れるでしょ?またみんなで宇宙旅行に行こうよ」 少年の家族は次々に立ち上がって二体のドロイドに歩みより、手で触れた。「家族が増えたわね」祖母が笑みを溢していった。 信じられない。彼女は初めて幸せを感じた。それは自分が綺麗に蘇ったからだけではない。横にR2-U9がいること。それに新しい家族の一員になった。 その後、一家は宇宙船で長い旅に出た。もちろん二体のドロイドも一緒だ。そこでR5はアストロメク・ドロイドの仕事を満喫していた。青のR5-W55と赤のR2-U9はそれから長い間付き添うことになった。 青いドロイドR5-W55の人生は今始まったばかりなのだ。 おわり あとがき これは2004.04.30(金)から05.06(木)にスターウォーズの鉄人!の交流板の「自作小説発表用トピ」に投稿した物です。 この話はディズニーの短編アニメ映画「青い自動車」のスターウォーズ版として書きました。よってタイトルは「青いドロイド」となってます。オリジナルの話をしますと、主人公の青い自動車スージー(女性)はカーショーに出品され、ショールームに並べられます。そこで無事に新しいオーナーが付きますが、使われていくうちにへたってきて中古屋に売り飛ばされます。つぎの新しいオーナーはスージーを雑に使い、冬場に凍えていたところを泥棒に盗まれてしまいます。泥棒を捕まえようとする警察に追われてスージーはクラッシュ。解体屋に捨てられてしまいます。そこである青年がスージーを拾い、修理&カスタムをしてスージーは復活。再び道路に返り咲く、といものです。ただし、五十年代に劇場公開されてからビデオが出ていないので絵本でしか見たことありません。最近「The Love Bug」のDVDの得点映像として「青い自動車」が収録されているようです。 「青いドロイド」も大筋はこれに合わせてます。まずR5はショールームに並べられ、これからの人生を楽しく想像しています。しかし外の世界で色々な災難に合い、スクラップ置き場に流れ着きますが、最終的には少年によって復活します。 実際オリジナルの「青い自動車」のような話はアメリカではよくあることです。アメリカは大量消費国に見えて実はリサイクル大国。ジャンクヤード行きの車でも未来が消えたわけではありません。それを拾う人はたくさんいます。それはスターウォーズの世界でも同じこと。スピンオフとしてこの物語を語るのはぴっりだと思います。 |