青いドロイド 第三話 出荷

 R5はショールームの裏にあるドロイド整備工場に逃げ込んだ。大きな建物の中で出荷前のドロイドが整備を受け、持ち込まれてきたドロイドが修理されている。彼女はそこでアストロメク・ドロイドが集まるブースへ行き、作業員の間を進みながら部品の箱を見て回った。
 そこからなくしたカラーパネルを見つけ出した。彼女は体から腕を伸ばして青色のパネルを一枚掴み取った。そして体内に大事に閉まっておくことにした。
 彼女は慎重に周囲の状況を確かめながら、工場内を横切った。そこで彼女はアストロメク・ドロイドの列を見つけた。R5-W55はその列から自分と同じ色のR5を見つけた。彼女はR5-H2に話しかけてみたが彼は何も反応しなかった。スイッチが入れられていないのだ。彼女は彼のスイッチを入れてみた。
 すると突然R5-H2は騒ぎ出した。彼は勢いよく走り出そうとしてR5-W55にぶつかった。
 私はR5-W55。お友達にならない?
 しかしR5-H2は混乱しているようで、何度も彼女にぶつかって飛び出していってしまった。R5-H2は工場内を暴走し始めた。
「あそこにいたぞ、あの青いドロイドを捕まえろ」
 R5-H2は右に行ったかと思うと、今度は追っ手をひきつれて左へ逃げていった。結果的に彼はR5-W55の身代わりになったのだ。
 かわいそうなR5-H2。きっと最後にスイッチを切られる前に何か怖い思いをしたのね。
 作業員たちがくると、彼女は一台欠けた列に入り込んだ。そして入れ替わったことが気づかれないようにじっと固まった。
「お前らはこれを箱に入れてトラックに積むんだ。傷でもつけたら給料はマイナスになると思え」
 二人の作業員が残され、言われた通りの作業をはじめた。順番に箱に詰めていき、その番はR5-W55まで回ってきた。
「おい、こいつ頭の部品が一個取れてるぞ」
「ああ、本当だ。そこで直してきてもらうか?」
「いや、こんなことがバレたら給料がマイナスになる。このまま箱に入れよう。どうせこのドロイドはババアのとこに行くんだ。気づきはしねーよ」
 こうしてR5は箱に入れられた。暗闇の中で、箱がどこかへ運ばれていくのが分かった。彼女はR5-H2の代わりに出荷されるのだ。彼女は箱の中で小さく口笛を吹いた。
 これからお年寄りの人に配達されるのね。どんな人だろう?

「インダストリアル・オートマン社の者ですが」
 R5はコルサントの高層マンションの一室に運び込まれた。その部屋で彼女の箱の蓋が開けられた。彼女はすかさず足を伸ばして外に出た。
「まあ、可愛らしいドロイドね。ペットができたみたい」上等な服を着た年老いた女性だった。
「まだスイッチを入れてないのに」配達員のかたわれがもう一人にぼやいた。
「名前はなんていうのかしら?」
 配達員はR5の番号を読み取った。「R5-W55です」それから彼は伝票を出した。「サインをしてください」それから異変に気づいた。「おかしいな。こっちにはR5-H2と書いてある」
「ドロイドを間違えたか?」
「いや、今日はR5を一体しか運んでない。色も青で合ってるし――」
「何か問題かしら?」おばあさんはR5の頭を撫でながら言った。
「いえ、きっと伝票の間違いでしょう。サインをしてください」
 不都合があれば我々が出張整備をします。そう言い残して二人の配達員は去った。R5のカラーパネルが一枚取れていることには気づかなかった。
 R5は体内に仕舞っておいたカラーパネルをおばあさんに差し出した。そして付けて欲しいと請うように鳴いた。
「あらどうしたの坊や?」
 坊や……。
 R5はめげずに意志を伝えようとした。
「ああ、頭の部品が取れてるのね。ほら貸してみて。付けてあげるから」
 パネルを付けてもらい、R5は嬉しそうに首を振った。
「本当に可愛い子ね」
第四話
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