PORSCHE TOYS


ポルシェ特集 2009/5月号
キドコ・ウェリー・ハートイの本当の関係


 この935/76を取り上げるのは2007年12月号「ウェリーとトミカの本当の関係」以来二度目になります。今回の特集はその続きとして書くので、まずは前回の記事から読むことをお勧めします。
 前回はウェリーがトミカをベースにフラットノーズの935/76を作り上げたという説を考えました。今回はウェリーの関連モデルがいくつか手に入ったので、それらと比べて考察したいと思います。


Kidco, Welly, Hartoy - Porsche 935/76
Kidco, Welly, Hartoy - Porsche 935/76

3つのメーカー、1つのキャスト
 上の画像はキドコ、ウェリー、ハートイというメーカーからリリースされた935/76です。別々のメーカーですが、形はそっくり。というか違う所がほとんどありません。どうやらこれらの935は全て同一の金型で作られたようなのです。

キドコ
Kidco - Porsche 935/76
Kidco - Porsche 935/76

 キドコのものならシャーシにちゃんとロゴが刻印されています。さらに金型の製作年も書かれており、これが1981年に作られたものであることが分かります。キドコは70年代中頃からこのようなミニカーを作っており、その頃はウェリーはまだ存在していませんでした。その後80年代中盤にキドコはユニバーサルに買収されます。

ウェリー
Welly - Porsche 935/76
Welly - Porsche 935/76
Welly - Porsche 935/76

 するとウェリーが、キドコのキャストをベースにしたモデルを作るようになりました。ウェリーの高い完成度から推測するに、金型がウェリーに移ったのではないかと思われます。このシルバーの個体は、これを売ってくれたP氏が20年前(80年代後半)にイリノイ州ウィートンのダイキャストトイ・ショーで新品として買ったものらしいです。今はホンウェルなどで多く見るようになったクリアケースも、ウェリーはかなり古くに採用していたようです。ただし台への取り付けはネジではなく、噛んだ後のガムみたいな接着剤で貼り付けてあります。シャーシの刻印を見ると、「Kidco 1981」が消されています。またシャーシ一体のサスの形状が異なっています(今回の特集ではこの個体のみ)。

Welly - Porsche 935/76
Welly - Porsche 935/76

 これは前回で大きく取り上げた青です。上のシルバーと同じく香港製ですが、どちらの方が古いのかは判断が付きません。タンポなしですが、ボンネット辺りにシールが剥がれた跡のようなものが見られます。シャーシの刻印では生産国の表示が同じで、車名は単なるポルシェとなり位置が微妙にずれています。サスの形状は元のキドコと同じですが、車軸受け部分の4つの出っ張りが削除されています。その際に下のモールドが復活している辺りがちょっと不思議です。

Welly - Porsche 935/76
Welly - Porsche 935/76

 これは90年代中頃のウェリーのバラエティーセットなどに入っているものです。ストライプはシールからタンポになりましたが、ノーズの「MARTINI PORSCHE」を消したのでちょっと短くなっています。シャーシの形は一番キドコに近く、刻印を消した跡もキドコの刻印の位置と一致しています。生産国表記はありませんが、同じセットに入っている車を見ると中国製となっています。

ハートイ
Hartoy - Porsche 935/76
Hartoy - Porsche 935/76
Hartoy - Porsche 935/76

 これはハートイから出たコカコーラ仕様のミニカーです。他にもウェリーと被る車種が出ており、ウェリーのOEM物のようです。シャーシには1988と打たれており、ウェリー初期のモデルということになります。「MADE IN CHINA」とありますが、箱には「Produced in Hong Kong」とあります。シャーシの形状は上で紹介した白いウェリーとほぼ同じです。ウェリーは意外にもこのような企画物商品を結構手がけており、レアバリエーションを狙うなら要チェックです。


 以前からキドコとハートイの935がウェリーと似ていることについて気になっていましたが、ようやく3メーカー全て手に入れることができたので検証してみました。ウェリーの起源はキドコということで、結論にしたいと思います。キドコを元にしたウェリーはまだあるらしいのですが、私の知っている中では他に思いつきません。キドコ・ウェリーの関係については物証がもっと見つかると良いですね。
 比較して思ったのは、青いウェリーはもしかしたらキドコかもしれないということです。これは中古100円で買ってきたため時代不明であり、一応ウェリーと分類したのは刻印がないからという消去法的理由からなのでちょっと怪しいです。しかしキドコならシャーシに刻印がありそうだし、やっぱり今のところはウェリーであるということにしておきます。ちなみに今回紹介した3台のウェリーはどこにもメーカー刻印はありません。

タイトル

Mail to TAMOTSU

過去の特集
HOME