PORSCHE TOYS


ポルシェ特集 2008/5月号
神話・京商フォルクスワーゲン


 京商ポルシェを取り上げたのが2005年の7月、ポルシェ2が2006年11月だった。ポルシェ3が出るなら周期的に今頃でも良さそうだが、この4月に登場したのはフォルクスワーゲンだった。最初は買う気がなかったものの、他人が買っているのを見て欲しくなってので2ボックス計40台を購入。全体的にカラフルなバリエーション展開で、ワーゲンらしさが出ているのがいい。ポルシェ2では決まった色ばかりだったのが、今回は一車種にしかない色も多い。同色系でも車種によって微妙に色調を変えているので、コストがかかってそうだ。
 第一弾なので車種はバランス良く空冷5台、水冷5台となった。新旧ビートル、新旧ゴルフ、毎回一台は入るSUVのトゥアレグ、人気のタイプ2、メインのビートルはセダンとカブリオ2種と、これだけ出されると第二弾はなさそうだ。全10車種、各車3色の色違いで全30種類。いつものように全種類紹介。ただし他メーカー品との比較はなし。カルマンとか181とかミニカー持ってないので。
 ちなみに京商の1/64ミニカーでワーゲンが出るのはこれが初めてではない。去年の夏に、サークルK・サンクスで買い物をすると商品ロゴ入りのデリバンが貰えるというキャンペーンをやっていた。持ってないので画像はなし。かなり種類があったようだ。


Kyosho Volkswagen Karmann Ghia

Karmann Ghia
 イタリアのギアがデザインしたボディを、カルマンが製造したのがこのカルマン・ギア。タイプ1をベースとしたコーチビルダー・モデルとしては最も有名で人気のある車だろう。50年代真っ只中の1955年に登場。このミニカーはこの最初の頃の年式をモデル化しているようだ。ラインナップの中では一番古い車になった。じっくり見ていくとプロポーションに違和感が感じられてくるが、全体的には雰囲気も出ていて良い出来だ。ノーズの尖がりがもう少し欲しかったような気もするが、たいしたことではない。少しだけ問題なのはテールライトが大きめなことだ。形は角テールを再現してあるのは分かるが、サイズが後の年式のような大きさになってしまっている。小さくできないなら、無理に別パーツ化することはないんじゃないかと思った。それと個人的に気になるのは、ノーマルとは思えない車高の低さだ。


Kyosho Volkswagen Microbus Deluxe

Microbus Deluxe
 実車は今や大人気となっているタイプ2。基本的に荷物運搬車として設計された車だが、乗用に内装と窓とシートを付けたのがマイクロバス。窓の枚数が増えて豪華になったのがこのデラックス(サンババス)だ。窓の枚数は色々バリエーションがあるが、だいたい一番数の多い23ウィンドウ(または21)がミニカーになる。ロンスターやプレイアート版もデラックスなので昔から変わっていない。ウィンカーが尖がりタイプで、後ろは小判テールなので61〜63年(?)くらいか。64年からはテールゲートの幅が広がり、コーナーウィンドウが付かなくなるので21ウィンドウになる。キャンペーンのデリバンではテールゲートが広がった後の年式だったが、バスはコーナーウィンドウを付けるために年式を古い方に変えたようだ。出来の方はデリバンよりも改善されているようだ(持ってないから分からないけど)。フロントフェイスが傾斜しすぎてるような気もしたが、実際このくらいか。後ろのピラーだけボディ側ではなく、プラの窓部品側に再現されているのが少し謎。ボディと色が合ってなくて不自然になっている。今回空冷車はどれも車高が低く、これも商用トラックのようなあの異様な腰高感がない。


Kyosho Volkswagen 181 Thing

181 "Thing"
 今回の中では一番の大穴。昔のワーゲン本なら「変り種ワーゲン」なんてコーナーで紹介されてそうな車だ。見た目で分かるように第二次大戦で使われていたタイプ82・キューベルワーゲンと似せて作られており、その目的も軍に大量購入してもらうことだった。まだ60年代末の頃に、ナチスドイツのイメージの強いキューベルのリメイク車を作ったというのは面白い。しかしベンツの方が軍人には人気があったらしく、この181はハワイのレンタカーだったり、映画で女優が乗っていたりと実際は南国のレジャービークルといった感じだ。実際メキシコでも作っていた。タイプ番号181の頭の1はタイプ1ベースということを意味している。これは戦後のVWのタイプ番号なので、ポルシェのタイプ番号であるキューベルのタイプ82とは関連性がない。69年に登場し、ライトとウィンカーはビートル、テールライトはタイプ2と同じ形の部品が使われている。Thingと書いてスィングという風に呼ばれる。面白い車種選択だが、これのせいでタイプ3の入る余地がなくなったのが非常に残念だ。タイプ3のミニカーは改造車ばかりだし。


Kyosho Volkswagen 1303

1303
 これがなければワーゲン・コレクションではない。僕はむしろビートルだけのシリーズが欲しいくらいだ。ビートルと呼ばれる車の中で選ばれたのは意外とも王道とも言える1303だった。前身の1302は71年に登場し、「ビートルに良く似た車」と言われた。1302と73年からの1303は、それまでのトーションバー・モデルに対してストラット・ビートルとして区別される。この車が出たばかりの頃はフロントの窓が丸くなっている「マルサン」が一番イケてるワーゲンだったが、低年式車にビンテージとしての価値が出てくると逆に虐げられるようになった。この車はウィンカーがバンパーに埋め込まれた最終75年モデル。従来のビートルに取って代わることなく次の年からはラインナップから消えた。ビートル・シリーズ全体が終わりに向かっていたからかもしれない。毎日見ている車なので余計に気になるのだが、ヘッドライトが大きすぎる。他にも色々言いたいことはあるが、とにかくライトがデカい。今回のコレクションで最大のミスである。実車は181と同じライトじゃなかったっけ?全然大きさ違うけど。でも後ろとか横から見たら結構いける。しかしこれも車高、特にフロントが低めなのが違和感を生んでいる。トランクにダンベル積んでるのかもしれないけど。


Kyosho Volkswagen 1303LS Cabriolet

1303LS Cabriolet
 ビートルが1台だと寂しいのでカブリオも入れてみました。コストを浮かす為に車種は同じです。というのが本音かどうかは分からないが、同じ車でクローズド/オープンを並べられるので別にいいか。カブリオのボディは昔からカルマンで作られている。最初はヘップミューラー社の2シーターとカルマン社の4シーターで2種類のカブリオがあったが、ヘップミューラーが倒産して以来2シーターは作られなくなった。別会社に新たに委託しなかったってことは、不要と判断したのだろう。このカブリオは、金型はセダンの方と兄弟のようだ。窓枠とボンネット後方のボディ部分までプラスチックの別パーツとなっている。リアフードのバッジを見ると、カブリオの方だけLSというグレードが付いている。Lはデラックス、Sはスーパーで1600エンジンであることを意味している。通常は1300エンジンだから1303という名前なのだが、Sが付くと1600というルールがあるので高年式ビートルの車名はややこしかった。日本に入った1303の多くはSが付くモデルだったようだ。セダンの方は75年までだったが、1303カブリオは普通のトーションバー・モデルよりも長い80年まで作られていた。この車が最後のドイツ製ビートルということになった。


Kyosho Volkswagen New Beetle

New Beetle
 まるでおもちゃのような車だ。1999年に登場し、アメリカでの販売を考えてメキシコ工場で作られることになった。そのメキシコでは当時はまだビートルの生産も続いていた。ゴルフがベースなのでエンジンは前に載っていて前輪駆動という、ビートルとは逆のレイアウトになった。フロントエンジンのお陰でハッチバックにできたというのがビートルと比べて大きな利点だろう。当然といえば当然だが。そうでなければ不便すぎる。今はデザインがリニューアルされたニュービートルだが、京商は当然ながら初代をモデル化した。実車では2代目より人気があるようだ。コンセプト1から多くのミニカーが作られたので、今さら出ても特に目新しい感じはしないが、それでも今回のコレクションに必要だったのは確かだろう。シャーシが傾いて装着されている個体が多いが、だいたい良い出来。正面から見たときの顔がたれぱんだ。


Kyosho Volkswagen W12 Nardo

W12 Nardo
 ランボルギーニを傘下にしているVWが作り出したスピード記録用マシン。2001年に東京モーターショーで披露された。車名のW12はV12エンジンをコンパクトに収めてW12型になったことからで、ベースはアウディらしい。W12エンジンはこの後のVW車に使われるようになった。京商的に、一台はこういう背の低いスーパーカーを入れたかったようだ。実際これが入ってなかったら売れ行きも悪くなったかもしれない。ルーフ全体を覆う窓は綺麗にフィットしているが、京商は基本的に内装黒一色なのでそこから見える中身は味気ない。丸く膨らんだルーフが戦前のタイプ60K10・ベルリン=ローマ競技車に似ていると言ったら、たぶん考えすぎと言い返されるだろう。しかしもし戦争がなかったら、VWもこのようなスポーツカーをたくさん作り出していたかもしれない。その代わりにポルシェ356が作られることはなかっただろうけど。


Kyosho Volkswagen Touareg V10 TDI

Touareg V10 TDI
 ポルシェ2でカイエン・ターボがリリースされてから1年半近く経ち、ようやくトゥアレグと並べる日がやって来た。今回のVWコレクションの中ではハズレと位置付けている人も多そうだが、そういう意味では絶対に必要な車種だ。ポルシェにとっては初のSUV、VWにとってもあまりなかったタイプの車だが、現代版のマイクロバスみたいなものだろうか。モデル化されたのはV10 TDIという日本では発売されなかったディーゼル車。ジャンボジェット機を牽引したとして宣伝していた。最近の車の方が得意な京商なので、出来の方は申し分ない。メッキの上にマークが印刷されたフロントのVWマークなど流石の表現である。)


Kyosho Volkswagen Golf R32

Golf R32
 ゴルフがなければVWは時代遅れな自動車メーカーとして終わっていたかもしれない。70年代から色々な名前の水冷モデルが作られてきたが、最も売り上げ比重の大きい車はこのゴルフだ。今現在5代目になっているゴルフ。ゴルフ1と対を成す形でラインナップに入ったが、なんでGTIじゃないのかと思ったらR32というのが今は一番高いグレードらしい。アルミ仕上げのグリル枠や、2本出しマフラーが他のゴルフとは異なる。ゴルフ5のGTIは他のメーカーから出てるから、これもバリエーションを広げるという意味では良いチョイスといえるかもしれない。しかし5のGTIはフロントグリルの赤ラインが復活したわけだから、初代と並べたかったという気持ちは残る。これもワーゲンマークがトゥアレグと同様の処理をされていて、模型としての密度感を高めている。


Kyosho Volkswagen Golf GTi

Golf GTI
 ようやく生まれたビートルの後継者。アメリカでは、バグ(虫)と呼ばれたビートルに対して、それよりも少し大きいラビット(うさぎ)という名前になっていた。ゴルフは1974年に登場、GTIは76年に高性能版として加わったが、日本へは正規輸入されなかった。ビートルから乗り換えた人も多かったようだが、どんなものでも最初のうちは不具合が生じるのがお決まりでゴルフも例外ではなかった。初期のゴルフはそんなことからみんな捨てられてしまったのか、70年代の高年式ビートルはおろかスプリット並みのレア度と言われている。今回の水冷車の中では唯一「古い」といえる車だ。70年代のダサいホイールとかボディの造形も良くできていて地味ながらハズレ車種とは言い切れない。サイドミラーをプラの別パーツとしている所が非常に良いやり方だ。ゴルフ1は今ではほとんど見かけなくなり、見たとしても2時代のカブリオであることが多い(ゴルフ2にはカブリオがないので初代カブリオが継続)。もうビンテージカーの仲間入りをして注目を集めても良さそうだ。乗るには色々と大変そうだけど。


 色々書いたものの、京商のミニカーコレクションでは久しぶりに良いシリーズ(一部の人限定だけど)になった。夏にはポルシェ・レーシングも出るようなので今年は当たり年だ。ポルシェ・レーシングはフェラーリの時と同じように少し高い680円になるようだ。種類は3車種×2色だろうか。詳しいことはまだ不明。
 特集タイトルを神話と銘打ってみたのは、遺跡風のセットを作った後だったからで深い意味はない。

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