世の中にチープミニカーは星の数ほどあるが、中国系のユルミニカーといえば930ターボや928、959など70年代、80年代を代表する車が多い。創作物の権利が厳しくなった今では、そのようなミニカーが作られる余地もないかと思っていたが、最近ではボクスターなど新しい車をユルユルに再現したものも見られるようになってきた。今でも中国のミニカーに対する情熱は衰えていないようだ。また何年か後にはカイエンやカレラGTもユル〜いミニカーになっているかもしれない。
以下に紹介するのは最近入手したボクスターのミニカーたち。トミカやマイストなどよくあるメーカー品よりもクオリティは低いが、日本での入手難易度は今のところかなり高い。つまりアンコモン(あまり見られない)なモデルたちである。
Unknown - Porsche Boxster
海外から飛んできたチープなボクスター。ボディとシャーシの分割ラインがかなり高く、ボディに使うメタルを節約している。こういう手法は最近では多くなったが、このボクスターはフォルムが平べったくないし内装も省略されていないのでユル系としては出来がいい方である。ホイールはメッキなしのワイドなタイプ。成型時のバリが残っていて回らないタイヤがある。フロントのポルシェマークとなる部分が突起になっているのが細かい。

プロトタイプ?
実はこのボクスターはただのボクスターではない。大手メーカーから出ている他のミニカーと比べてみるとそれが分かる。上に並んだのはマイストの市販版ボクスターと、マジョレットのプロトタイプ版ボクスター、そして問題のボクスターである。まずフロントのエアインテークを見ると、これは市販版ではなくプロトタイプ版に近いことが分かる。市販版のインテークはバンパーの両端に開いているが、プロトタイプでは中央に寄っている。サイドのインテークも市販版とプロトタイプでは違いがあるが、問題のミニカーでは省略されている。
なんとこれは、今までマジョレットしかないと思っていたプロトタイプ版だったのか?
そうでもないかも?
後ろ側の比較。テールライトは完全にマジョレットと同じタイプである。テールの形状も市販版よりプロトタイプに近い。しかしリアフードにテールライトが装着される切り込みがあるのは市販版の特徴。プロトタイプにはないヘッドレスト後方のロールバーもあるし、幌屋根を収納するカバーの形状も市販版に近い。カバーの面積が広いという点ではプロトタイプっぽいところもあるが、特徴的なM字ラインもない。それと給油口がフェンダー上に付いているのも市販版の特徴である。マジョレットは省略しているが、プロトタイプはボンネット上にある。
これは市販版とプロトタイプの両方のディテールを持っている。これはミニカーメーカーの創作なのか、それともマジョレットとマイストの間を埋める第二のプロトタイプ型なのだろうか。ボクスターのプロトタイプというと、1993年に発表されたマジョレットのタイプしか知らないが、96年の市販版までにはブランクがある。そのブランクの間にも開発されていたであろうプロトタイプは果たしてどんな姿だったのだろうか。

奇遇のプラスチック
先月はプラスチック特集だったが、その後中古屋でこのプラ製ボクスターを発見した。最近は自力で新しい発見をすることは少なくなっていたので、こんな物でも大きな収穫だった。サイズは丁度トミカサイズで、裏には例のごとくMADE IN CHINAとしか書かれておらず、メーカーは全く不明。同メーカーと思われるベンツSLRも一緒に見つけてきたが、最近の車でもこのように玩具化しているメーカーもあるようだ。ジャンク105円のカゴから発見したので、窓が欠品。プルバックモーターはないがゴムタイヤで、シャーシを見るとモーターが搭載できそうな四角い出っ張りがある。
先月も書いたように、ユル系の中でもプラスチックとなると集めている人もかなり少ないようで、ネットでも一度も見たことがない。よくありそうな玩具だが、いざこれを入手しようとしてもコレクターズアイテムではないため逆に見つけるのは難しい。よってこれもアンコモンなモデルである。

太陽の玩具
サントイというとまだそんなに知られた名前ではないかもしれない。内装もないチープな出来で、デフォルメも若干きつく、メッキのスターホイールを付けていることからサマーと間違われることが多い。日本にも種類は少ないが、結構見かけることはある。ダイソーで売られていた緑色のヴァイパーや黄色のディアブロなどの5台セット、と言えば分かる人もいるだろう。中古で見かけるサントイはほとんどがそのダイソー物である。海外では他の車種やバリエーションが多く存在しているようだが、日本はまだサントイ後進国なのである。
アンコモンなサントイの一つがこのボクスターである。これはP氏から例の金メッキのソービと共に送られてきた試作品である。メーカーが玩具博覧会に展示するためのもので、見栄えを悪くするタンポはない。日本では売られたことがないのか、ボクスターは試作品でなくともレアな存在。市販されているサントイには普通(他のミニカーと同じように)子供向けなタンポが印刷されている。ミニカー自体の出来はかなり悪いが、僕がクリアケースに入れて大事に保管しているミニカーの一つだ。
サントイを見分ける方法は裏側の品番を見ることだ。サマーなら4桁か3桁の品番だが、サントイの品番は長い。ボクスターには「9816000」という数字が刻印されている。

今年は暇がなかったのでエイプリルフール・ネタはなし。一年経つのが異様に早い。昨年度も色々と素晴らしいモデルを収めることができたので、今年度もいいことがありますように。コレクション1000台(種類)突破まであとどのくらいか?
