ダイキャストカーという呼び方があるように、ミニカーといえばダイキャスト・メタル製であるというのが当然のようになっている。昔は香港製のミニカーでもシャーシまで金属製のものが多かったが、今ではシャーシくらいはプラスチックでできているのが普通になった。「昔のような重量感が失われた」という声も多いだろう。ましてやボディまで軽いプラになってしまったら……。
ホットウィールの一部の車種や、マジョレット・デラックスなどメジャーメーカー品でもプラスチック・ボディのミニカーはあるが、その場合代わりにシャーシがダイキャスト・メタルになっている場合が多い。今回集めたのはボディからシャーシまでオール・プラスチックのミニカーたちである。ミニカー・コレクターたちからも見捨てられることが多い彼らが、陽の目を見ることはあるのだろうか。
Supreme - Porsche 911(993) GT2
シュプリームのプラ製ミニカーはこの世界では比較的「まとも」な存在と言える。それがプラボディということを除けば、普通のダイキャスト・ミニカーと同じような作風だ。そのためこのシリーズはミニカー・コレクションに加えても違和感はあまりない。恐らくチープミニカーを集めているコレクターなら受け入れるだろう。
他にも車種はあるが、ポルシェは今のところこれしか確認していない。カラバリもあるけど、中古で見つけたのは全て赤だった。

Yunker Promotion - 911(996) GT3
去る2007年の夏に突然登場したユンケルGT3のミニカー。ほとんど話題にもならなかったこのミニカーは、ユンケルを買うとオマケとして付いてきたキャンペーン物である。これをヤフオクで見つけたときはかなり驚いたが、入手する術が分からず秋頃になって運良く手に入った。その後中古屋でもちょくちょく見かけるようになったので、その度に買っている。
少し大き目サイズなのを覚悟していたが、現物は意外とコンパクトでほぼ1/64スケールと言える。僕が知る限りでは、3インチサイズでJGTC仕様のGT3が出たのはこれが初めて(1/72ならあった)。基本的に実車を再現しているが、ヘッドライトが新しいタイプなのは間違いだと思う。箱に「走る!」と書いてあるように、プルバック・モーターが仕込んである。実はプルバックというのがコレクターの敬遠しがちな要素だったりとかそうでないとか。しかし3インチとして貴重なモデル化なのは確か。

Unknown - 930 Turbo 3.3
クリアボディの930ターボは、ミニカーというより「雑貨」や「ファンシーグッズ」という呼び方の方がよく似合っている。ゴムタイヤを見れば分かるようにこれもプルバック・モーター付きである。プルバックというものは、ミニチュアとトイの境目に存在するミニカーを大幅にトイ寄りに引きずり込むものだ。しかもこれはただのプルバックではなく、壁にぶつかると進行方向が逆になるというギミックが付く。
よく見ると型の元になっているのは、あのファットなマジョレット版930ターボ。大きさもマジョレットと同じくらい。タイヤが出っ張っていないので元の形の良さがよく分かる。さらにこれには拡大コピー版も存在する。こちらはフリクションで、100円ショップでたくさん売られていた。この兄弟製品が果たして同一メーカーによるものなのかは分からない。
上の4台並んだ中で、実は緑だけが一回り小さいモーターを搭載していたりする。それから緑だけウィングが別パーツという違いもある。それはさておき、緑にはバリエーションを発見した。ボディもシャーシも全く同じ仕様だが、よく見ると中のモーターの色が違っていた。手前側はモーターの分割で色が異なっている。
プルバック付きのミニカーにはモーターの違いでバリエーションが存在することが多いが、普通はボディに隠れているので裏返してみないと分からない。これの場合はボディが透けているので、Collectionの方にはバリとして2台とも載せておいた。

Takara - Transformers
さてだんだんとミニカー・コレクションに加えるには抵抗の強いモデルになってきた。これはミニカーとは関係なく名の知れたタカラのトランスフォーマー。変身ギミック付きのトランスフォーマーは大抵プラスチックでできている。その中には3インチのシリーズもあり、画像のようなかなり959チックなカーロボットがいる。裏側の刻印を見ると最初に作られたのが1994年。恐らくシルバーがこの中では一番古い。右のパッケージに入っている黒が2000年にリリースされたもので、その当時にトイザらスで買った。白とクリアー・オレンジは時期不明だが黒よりは後のリリースだろうと思われる。それぞれ変身後に持たせる銃が付いて完品らしいが、中古で買ったルースはいずれも欠品だった(車に偽装している状態では付けておく場所がないので)。ブリスターには車の下に銃が入れられている。
変身させると下のようになるが、腕はクルクル回るだけだし足を開くことも屈むこともできないので、かなりつまらないと思う。しかしこのサイズのトランスフォーマーではこれが普通らしい。


Unknown - Porsche 917
最近は3インチでもプラスチックのミニカーが増えた。ボディが軽すぎて車輪が転がりづらい為か、プルバックでなくてもゴムタイヤであることが多い。見たことのある型を使っている製品もあるが、中には面白い車種もある。
ボディ全体が黒とのグラデーションで気持ちの悪いこの車は、紛れもなく1969年の917である。かなりおなちゃチックだが、この変な色と変な付加パーツをやめればミニカーとしての価値ももっと上がっただろう。しかしそれをやめないのが、中国の玩具会社。プルバック付きで、シャーシには「01 CHINA NO:2001」と刻印されている。2001年に作られたという意味なのかは分からないが、とにかくそれくらい最近のものなのは確かだ。

Sega Virtua Racing - Porsche 911(964) Turbo
メタルマッハと書いてあるが、車本体はプラスチック製。しかし走行する為のモーターと電池が入っているので重量はある。スケールスピードでマッハくらいまで走るとのこと。やったことないのでどれくらいスピードが出るかは分からない。
デフォルメはされているが、一応サイズ的には3インチに加えて良さそう。このサイズでは貴重な964ターボなのでミニカーリストには名前を入れているが、Collectionには(自分でも)なぜか載せていない。このデフォルメのせいもあるが、どこかスロットカーと近い雰囲気を感じるからかもしれない。
ブリスターカードによれば1994年の物。ハローマックで値下げ100円のものを買っていた。その後ルースで青と黄色を入手。バリはたぶんこの2色しかない。シールは後から貼り付けるので買った人によって位置がまちまち。
ここで紹介したモデルは少し例が悪い。プラスチックである上に遊び心が付加されているからだ。プラスチック製でももっと真面目に作られたミニカー(鉄道模型に置くような)なら堂々とコレクションと言っても恥ずかしくない。しかしこのサイズではそういうプラ製ミニカーは少ないからしょうがない。
初期シクなどプラスチックでできたミニカーは昔からあった。50年代や60年代のプラスチック玩具は今ではアンティークと呼べるレベルだが、僕としてはそれほど興味があるわけではない。僕のストライク・ゾーンはだいたい70年代から90年代物。心ときめくのはやはりダイキャスト・メタルのボディと、メッキで模様が付けられたプラスチックのホイールである。というわけで、今回は写真撮ったり文章書いたりしていてもあまり心躍らなかったので「やっぱりダイキャスト最高」という結論で終わりとする。