トミカ専門コレクターなどの人ならともかく、3インチ・ミニカーの世界に深く入り込んだ者なら今までに数多くのメーカー品と巡り会っているはずだ。日本のトミカやアメリカのホットウィールだけでなく、中国に目を向ければそこにはエキゾチックかつノスタルジックなミニカーが溢れている。もしミニカーの裏板にYatmingやSummerの文字を見つけたとしても、貴方はまだこの世界の入り口に立ったにすぎない。それほど謎のベールに包まれたミニカーが数多く存在する。
今回取り上げるのはソービ(Sohbi)というメーカー。このサイトの特集を遡ること4年と数ヶ月、2003年8月号の題材となったメーカーである。メーカー別特集の第一弾として選んだのがソービだった。数年を経た今でも新規バリの入手などはあまり進んでいなかったが、興味深い物を手に入れたので紹介する。
突然のメール
ホームページをやっていると海外から英語のメールが届くことがあるが、P氏は一番最近の例である。34年間もミニカー・コレクターをやっている彼は、香港などの玩具展覧会へ行っては市販されない(または欧米には供給されない)ような珍しいバージョンのモデルを集めてきたという。そんなミニカーを買わないかというオフォーだったので、下のソービを含めた6台をチープミニカー(このボクスターだけはチープなどと呼べる代物ではないが)とは思えないような値段で買った。
![]() Sohbi - Porsche Boxster |
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金メッキ・ソービ
ボディ全体が鏡面になるほど美しく仕上げられた金メッキ仕様のソービである。金メッキの存在はソービの公式サイトで知っており、この金色のボクスターもそこに載っていた。なかなか入手の機会に恵まれなかったが、今回突然手元にやって来たわけだから人生どうなるかなど分からないものだ。
P氏によれば金/銀メッキのシリーズは製品にならずに終わったソービのプロジェクトだという。そのため今回入手したのは製品として出荷されたものではなく、展覧会出品のための試作品の一つであるらしい。それを彼が香港で買ってきたのである。
ミニカーはソービで常用されている硬いアクリルケースに入っている。このケースも今回初めて手に入れた。味気ない文字入りシールが製品らしからぬ感じである。ミニカーの車高が前上がりになっているのは、内装パーツが定位置にはまっておらずシャーシを押しているため。フェンダーからピンセットを突っ込んで内装の位置を直そうと試みたが、傷つけるのを恐れてすぐにやめた。

疑惑を晴らす
公式サイトを見てからこのボクスターはリアルトイのコピーではないかと思っていたので、比較してみる。並べてみた感じは意外と印象が違う。ハードトップでミラー付きという特徴が一致するのはこのリアルトイくらいだが、フロントや横のエアインテークなどは異なったラインを持っている。ソービはリアルトイのコピーではなかった。
ソービのシャーシ裏を見たときにリアルトイと似ているような気がしていたが、実際に比べてみるとコピーと言えるほどの類似性はなかった。テールエンドを見てみると、ここもまた違っていた。ソービのボディは垂直に落ちているのが手を抜いた感じがある。
![]() Realtoy & Sohbi - Porsche Boxster |
![]() Realtoy & Sohbi - Porsche Boxster |
実売されたのか
P氏はメッキのソービはプロジェクトのまま終わったと言っているが、僕はかなり製品版に等しい2台セット・パッケージをネットで見たことがある。確かMCCHのフリー・マーケット掲示板で、金/銀メッキのソービのセットが何種類か取り引きされていた。車種は959や964もあったような気がする。どうやらその時の画像を保存していないようなので今となっては確かめようがない。そのことをP氏にメールすると、彼は2台セットについては知らないようだった。画像は拾い画像フォルダにあったソービの金メッキ964。これをメールに添付してみた。ポルシェの中ではボクスターだけにメッキ版があると思っていた彼は、964の金メッキは知らなかったらしい。そこで彼は次のようなことを話してくれた。その概要を書く。
「私は完璧な鏡面仕上げをされたいくつかのソービのクローム・モデル(ビートルやミニ)を持っている。それらは珍しい試作品(factory sample)で、私が香港から持ち帰ったものだ。しかし全てのポルシェについては知らなかった。私は何人かソービに知り合いがいるが、このボクスターのような完璧なクローム・メッキの技術を習得するのは難しかったと言っていた。彼らが言うには初期のモデルには凸凹な金塗装のものもあった(画像の964のように)。その964はメッキではなく塗装に見える。
このクローム・メッキのプロジェクトは、ディスプレイ・ケースに入ったギフト・セットのシリーズのためのものだったのだと思う。色々な意味でソービは謎に満ちた会社だね。」
彼が持っているメッキのソービは本物のクローム・メッキだが、世の中には塗装仕上げのものも存在するようだ。僕が見た2台セットがどちらなのかはもう分からないし、それが製品版だったのかどうかも謎のままである。しかしそれがコレクターにとって価値のある珍しいものであるということは確かだろう。

906ファースト・エディション
知る人ぞ知るソービの906。今回買ったもう一台のソービが緑の方で、このキャストの最初のリリース版ということらしい。紫が前から持っていたもので、塗装やタンポの質が最近のソービらしい出来。ドアやフロントフードの境界線が凸モールドで表現されるという古めかしい作りなのは、古いジルメックスのコピーだからである。ソービには他にもジルメックスのコピーがある。
今回このシャープな906を手に入れて気づいたのが、ヘッドライトが丸2灯ということである。ごく初期を除いて906のワークス・マシーンは丸4灯なので、ソービ版は初期906のモデル化ということが分かった。フロントの左右に空力板が付いていないこともそれを裏付けている。
ソービは欧米でもとても珍しいものだと彼は言う。確かにここ最近僕もソービの新しい発見はあまりなかった。そしてソービが他の中国系メーカーとは一味違ったオーラを持っていることに気づいた。今回取り上げた金色のボクスターはその神秘の極みだろう。(もしクローム・メッキのソービについて情報を持っている人がいたらお知らせください。If you have any information of Sohbi chrome models, please let me know by e-mails.)
左は彼から買った残りの4台。届いてすぐにクリアケースに入れた。手前からヤトミンの928、サマーの944、サントイのボクスターである。何れも市販版ではない試作品の類として買った。ソービの2台には及ばないが、こちらもそこそこの値段だった。しかしそれなりに珍しい物が手に入ったので良しとする。サントイのボクスターはこれが初入手となった。
Sohbi Co. Ltd.
ソービの公式サイト。80年代後半にできた会社なのかな?
