PORSCHE
信沢 保の
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2007/11月号
我らがトミカ特集 Part2


 トミカが誕生してから37年ほどが経っているが、未だにトミカは華奢なホイールと車軸を持ち、たまにドアが開いたり金属シャーシだったりする。トミカが初めて子供たちに渡ったあの頃と変わっていない。ここまで変わらずに、会社が倒産することもなく続いてきたミニカー・ブランドは非常に稀な存在である。老舗ブランドのマッチボックスを見てみれば、多くの紆余曲折を経ていることが分かる。他にトミカのような存在と言えば、ホットウィールかマジョレットくらいか。日本ではおもちゃ売り場にはトミカが並んでいるというのが当たり前になっているが、それが当然であり続けるのは並大抵のことではない。
 今回は引き続きトミカ特集。残りのポルシェを紹介。


935/76
F31
1977
 911Sに続いて外国車シリーズに登場したのがこの初期型935。まだフラットノーズにもなっていない姿は911の面影を強く残している。このモデル、1977年のカタログでは「ポルシェ・カレラ・ターボ」とされており、写真もシルバーのマルティーニ・カラーを纏った911カレラRSRターボが使われていた。実際このトミカの935はフロント・バンパーはRSRターボの形をしている(ミスと思われる)。しかしボディ後半は間違いなく935なので、これは935であるとする。
Tomica Porsche 935/76
935/76 - No.F31

 白のマルティーニ・カラーに赤いウィングというのが最初のバージョン。通常品は後に白ウィングとなり、最後に緑色のヴァイヨン仕様となって1986年までF31に残っていた。オレンジのイエガーマイスターはセット品にしかない。

936/76
F43
1978
 ポルシェのリリースはコンスタントに続き、初期型の936も登場。このサイズの936は貴重な存在である。比較的入手の簡単なジルメックス版とは年式が違い、ドライバーの後ろの大型エアインテークがない。936/76も後期型はエアインテークが付くので、本当の初期型である。ただしフェイエが同じ仕様の936を出しているので希少車ではない。
Tomica Porsche 936/76
936/76 - No.F43

 最初のカラーは白のマルティーニ。ヨーロッパ仕様の黄色もよく知られている。通常品はその後黒に変更され、1980年に早くも生産終了されている。それからこの型は、今までにどんな形でも再利用されていない。

928
F53
1978
 1978年は936の他に928も4ヶ月遅れて登場した。他の各国メーカーを見回しても、これをモデル化しないところはなかった。日本でもスーパーカーの仲間に入れられていて認知度はあったと思われる。トミカのポルシェでは唯一のダイキャスト・シャーシになっており、その重量感が実車の大きさを感じさせる名作。しかしこれも936と同様に1980年に品番を新車に明け渡しており、通常品のポルシェとしては最も短命に終わった。コピーのウェリー版ではこの良さは全く伝わらないというのに。
Tomica Porsche 928
928 - No.F53

 通常品はこの赤しかない。フロントにタンポが付いているものがあるが、それは輸出仕様である。プレーンなシルバーも存在するが、それはガム入りのトミニカというブリスターパックのみでの販売で、ちょっとレアな存在になっている。

935/78
F10
1979
 930ターボと同じ年の登場だが、こちらの方が少しだけリリースが早い。F43とは年式違いの935だが、モビーディックと呼ばれる最終型なので大きく印象が違う。キャビンを見れば分かるように車幅がかなり広がっているので、スケールが少し小さくなった。
Tomica Porsche 935/78
Tomica Porsche 935/78
935/78 - No.F10

 これも白のマルティーニが最初のカラー。サイドにはタンポ印刷がされているが、ボディ上面はシールを貼る。これはボンネットのマルティーニ・マークだけでシール欠品。初期版はタンポの青が薄い色らしい。
935/78 - No.F10

 次のカラーは黒のクラウス版で、こちらは少し見慣れたバージョン。なぜならこの仕様のまま赤箱90番に移行し、1990年までカタログに載っていたのだ。ロングランの割りにはバリが少なく、ヨーロッパ仕様のバルヴォリンと合わせて3種類しかない。

956
F36
1984
 80年代に入ってポルシェのモデル化は少しのブランクがあり、356スピードスターの翌年に956が登場した。外国車シリーズの人気も発売ペースも落ちてきた頃だったが、当時絶大な強さを見せていた956はリリースするに十分な存在であった。このモデルは特注品で多くのバリエーションが登場し、実際のサーキットと同様に様々な仕様が登場した。後ろのエンジンカウルが外せるので、程度の悪い中古では欠品していることが多い。
Tomica Porsche 956
956 - No.F36

 箱絵はお馴染みのロスマンズだが、通常品にはイセキしかない。これは付属のシールを貼っていない状態。イセキは昔ポルシェ・ディーゼルとも関係のあったトラクター会社。実車の活躍も長く、赤箱116番に移行して1996年まで作られた。

959
120
1988
 外国車シリーズが廃止され赤箱に統一された時、その一番最後の番号に登場したのがポルシェのスーパーカー959だった。外国車縮小の傾向を取り始めた一方での発売で、しかもパトカーと同時登場だった。古き良き70年代80年代の最後の新作である。他のトミカと同じく素晴らしい出来。リアウィングが抜けていないが、このフォルムを守るためには仕方がなかったのだろう。
Tomica Porsche 959
Tomica Porsche 959
959 - No.106

 パトカー版は警視庁仕様で、通常品にはこれしかない。ノーマル版の通常品はシルバーだった。パトカーは特に変更なく1993年まで作られ、廃盤はノーマル版よりも1年以上遅かった。ノーマル版には特注品もあったが、絶版になってから959の型は使われていない。
959 - No.106

 アースコマンダーの3台セットに入っている金色の959。ブリスターパックになっているので開けていない。パトカーは通常品とこの2種類のみ。前身のシリーズとなる未来緊急隊ではノーマル版の金色959もあった。

Boxster
91
1999
 90年代、カタログからは次々と青箱からの外国車が消えていった。僕が本格的にコレクションに目覚めた頃はポルシェは356と930くらいしか残っていなかった。1999年にとうとう356がカタログ落ちしたが、同じ年に登場したのがポルシェの新鋭ボクスターだった。しかしそこにはかつての青箱のような魅力は感じられない。それはボクスターという車がまだ旧車的な匂いを持っていないからなのか、それともトミカの華奢なホイールと現代の車デザインがマッチしないせいなのか、時代が過ぎれば分かってくるだろう。
Tomica Porsche Boxster
Tomica Porsche Boxster
Boxster - No.91

 箱絵と同じシルバーでの登場。もう箱絵と中身の色が違うということはなくなった。純粋なシルバーではなく、少し色味が付いているのが少し気持ち悪い。通常品の色変更はほとんどなく、ボクスターも今のところ同じ仕様で売られている。セット品でオレンジがある。
Boxster - No.91

 キーチェーントミカは第一弾、第二弾と930ターボがシリーズに入っていたが、第三弾にはボクスターの色違いが登場した。綺麗な青メタリックはキーチェーンなしで発売して欲しかったところ。これを入れてバリは今のところ3種類しかない。

Tomica Dash
 プルバックモーター付きのトミカダッシュは1977年に登場したシリーズ。通常のトミカとは全くの別金型が作られ、デフォルメされたボディにメッキのエンジンが飛び出しているというものだった。70年代にヨーロッパのミニカーを蝕んだHWブームの一端がここにも現れている。この傾向が通常のラインナップに飛び火しなかったのはトミカにとって幸いだった。ポルシェは911カレラRSRターボが登場。しかしバンパーの形は935。同年登場のF31番935とデザインがごっちゃになったようだ。
Tomica Dash Porsche 911 Carrera
911 Carrera RSR

 エンジン一体のウィングパーツが変更になり、エンジン飛び出しはなくなった。ウィング形状も変わって、RSRターボからRSR3.0風のモデルに。ウィリー走行ができる。このウィング変更後のモデルは80年代にパワートミカという名前でも売られたことがある。

Power Tomica
 トミカダッシュは非常に短命なシリーズとなり、1978年にはフリクションのパワートミカが登場した。同様に専用金型が作られたが、こちらはデフォルメを抑えた落ち着いたものになった。ポルシェは通常品にも丁度登場した928がラインナップ。この頃は外国車のリリースも熱心だった。パワートミカもそれほど長い間は続かなかったが、1984年にマイティ・ボーイという名前として色違いモデルが再び発売された。
Power Tomica Porsche 928
928 - No.1

 パワートミカでは無地のシルバーだったが、後にマイティ・ボーイとして発売されたものはサイドのタンポと上面のシールが付いた。裏板はパワートミカのままになっている。

 以上でトミカから出ているポルシェは基本的に網羅した(普通の959がないけど)。930ターボも絶版になった今はボクスターだけが現行品となっている。他のメジャーなミニカー・ブランドと比べてみると少なすぎるが、国産車主体というスタンスからしてみればラインナップに入っているだけマシな方といえる。現在は高級なリミテッド系シリーズで古い車種からネオクラシックな車まで国産車が充実しており、やっぱり日本車はトミカが一番である。ただその中に僕が買うものは少ない。

 ところでこのPORSCHE TOYSにもギャラリー・サイトができました。今まで特集という形で多くのコレクションを紹介してきたが、新入手物の追加がしづらい状況だったので別にサイトを作ることにしました。とりあえずトップページの下の方にリンクが貼ってあります。トップページもあんまりスクロールしなくても見られるように改善する予定です。

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