PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2007/4月号
ダブルX前編 ジルメックス特集


 とうとうこの特集もジル・モータマを扱う日がやってきた。これを済ませれば主なミニカー特集はだいたい終わりになるだろうと思われる。あと残っているのはトミカくらい。今までなんとなく敬遠してきたけど、最近ジルとモータマがマイブームなので特集に踏み切った。
 ジルメックス(Zylmex)は香港のジル・エンタープライズ(Zyll Enterprise)社のミニカーブランドで、70年代から存在する。HWの少し後くらいではなかろうか。初期の製品にはHWの影響を受けた作風が見られる。ZEEという名もよく出てくるが、ZEE TOYSもジルのブランドの一つだ。他にZ-Wheelsというブランドもある。それぞれの違いはよく分からず、ミニカーを指すのか玩具全部を指すのかも不明だ。初期のミニカーにはシャーシにZylmexと書かれており、その後ZyllやZEE、マルZマークが書かれた物もあった。ジルブランドの書いていない物もあるが、シャーシに特徴的な品番が付いているのでジルは見分けが付けやすい。アルファベットの後に品番が続く。

D番号……Dynamights、Dynawheelsシリーズ。プラシャーシが多くより安い。
P番号……Windracers、Pacesettersシリーズ。メタルシャーシで可動パーツを使用。
B番号……Krazee Wheelsシリーズ(ビッグタイヤが付く)。D番号でも似たシリーズあり。
T番号……ミリタリー系シリーズ。
J番号……D番号のリメイクとなるチープなシリーズ。
K番号……トレーラー物のシリーズ。一つだけロンドン・タクシーあり。
AP番号……バス。
MP番号……元P番号の建設車両系。続く品番はP番号と変わらない。
3000番台……乗用車系。P番号の仲間?
4000番台……プルバック付き。

 とまあ、トミカサイズ系ミニカーがあるのがこの辺の品番。ジルで主なシリーズはD番号とP番号になる。D番号はモーターマックスに受け継がれて最近の製品として多く出回っているので、最も見かける番号だろう。チープなJ番号もよく見かける。この中でポルシェがあるのもD、P、J番号。P番号のポルシェは持ってないので、そのうち巡り会いたいアイテムだ。
 これだけミニカーを作っているジルだが、MCトイ(現在のマイスト)からOEMを受け、ジルメックス・ブランドとして売っていたこともあった。その中にはMCトイ版が存在しないと思われる928(エドカーでも存在)なども含まれていた。
 会社のジルはレッドボックス・インターナショナル(Red Box International)に買収され、D番号を中心に多くの金型がモーターマックス・ブランドに移行した。ミニカー第三世界によれば買収は1996年だった。


935/76
D55
 79年のカタログに出ているので、時流に乗ったリリースだったと思われる。京商で出た935と同型のモデル。これ単体で見ればよくできたミニカーだ。初期には白にマルティーニカラーがあった。モーターマックス版では無地のシルバーがある。
Porsche 935/76
935/76 - No.D55

 シャーシの刻印は品番のみだが、シールで「ジル中国製」という旨が書かれている。ジルでも末期のバリであろう。シルバーにマルティーニの組み合わせは初期からあるが、ホイールが新しい物になっている。

936/77
D62
 こちらは936で年式は935と一年違い。たぶん車の年式くらいか数年遅れでリリースされたと思われる。936のミニカーとしては現在最も入手しやすい。トミカの936は76なので、トミカ版を持っていても買う価値はある。
Porsche 936/77
Porsche 936/77
Porsche 936/77
936/77 - No.D62

 車名表記のある香港製の物。しかしジルのブランドは何も書かれていない。比較的古いバリエーションと思われ、ホイールが最近のものとは違う。黒の他にゴールドもあったとか。
936/77 - No.D62

 これは中国製でホイールが今でも見慣れた物になった。これは新品セットとして買った中の一台。上の935と同じセットだった。シャーシにはZYLLと刻まれている。
936/77 - No.D62

 このシルバーが一番発見しやすいカラー。これが最後のバリエーションなのだろうか。裏板にはジルの名前は一切ない。モーターマックスになってからの物だろうか。境目はよく分からない。

910
D64
 品番は64だが、たぶん上の935や936よりは前のリリースと思われる。910は67年デビューだからかなり初期の金型か。ジルメックスにはD9番に先代の906が存在している。910はマッチボックスなど他のメーカーにもあるが、屋根が膨らんでいたりサイド・ウィンドウの一角がカーブしていたりと、より正確な形をしている。
Porsche 910
Porsche 910
910 - No.D64

 初期のホイールを付けている。最初期にはプレイアートのような2ピースホイールが使われていた。香港製でシャーシにはZylmexという文字がある。ライトもシールで再現していたのだろうか。
910 - No.D64

 ホイールが少し新しくなった。910はこの時期より新しいバージョンは出ていない感じがする。香港製で車種表記もあるが、ジルのブランドは入っていない。シールを剥がした跡があるので、シールに書いてあったのかも。

928S
D89
 若干大振りの928。どこのメーカーにもある928だが、ジルメックスのD番号はSを再現しており、リアスポイラーが付く。画像では見えないが、フロント下部にもスポイラーが付いている。ここまで来ると最近でも見慣れた物になった。ジルはP番号に普通の928がある。
Porsche 928S
Porsche 928S
928S - No.D89

 欲しい人はとりあえずシルバーを買っておけばいい。シルバーはロングラン・カラーで、最近までトイザらスに並んでいたので入手しやすい。中国製で裏には品番が書かれている。ジルの時代には黄色とゴールドもあった。
928S - No.D89

 シルバーと並んでよく見かける色。トイザらスのモーターマックスのセット物でシルバーと一緒に入っていた。適当なポリスカラーが泣けてくる。このカラーはモータマになってからの物か。在庫品にタンポ付けただけだったりして。

959
D95
 これはまた王道な959のミニカー。しかしジルには911がない。一応935とかも出しているが、こういうメーカーって他にあるだろうか。ジルの959は細長いと言うか横幅がなく、他のメーカー品と比べるととても違和感がある。でもフロントのエアインテークがしっかり作られていたり、リアウィングが抜けていたりと結構良い作りだ。
Porsche 959
Porsche 959
Porsche 959
959 - No.D95

 よく見かける下の青いタイプと似ているが、ホイールが違っていたので中古で買ってきた。よく見たら内装色がグレーで、シャーシの作りが違っていた。中国製でシャーシには品番と生産国のみの表示となっている。
959 - No.D95

 あまり見ないカラー。黒いボディに水色と緑のタンポというのが日本人にはないセンス。左と同様に古い方のシャーシで中国製だった。ホイールが最近の物と同じなのでこっちの方が新しいと思う。
959 - No.D95

 この濃い紫色はあまり見ない。シャーシが新しく作り直された物で、左の2台より最近の物と分かる。内装もグレーから黒に変わった。
Porsche 959
959 - No.D95

 これが現在最も見つけやすいカラー。モーターマックスになってからは主にこの色で売られたようだ。トイザらスでも見たような気がする。

928S
J111
 J番号はD番号の中からいくつかの車種をクオリティ・ダウンしたシリーズで、比較的最近の製品。モーターマックスに移行してからのシリーズという説もあるが、マルZマークが付いている物もあるので、ジル末期の登場ではないだろうか。車種は少ないが、928Sが含まれている。ボディの下半分をシャーシで補うという驚きの力技を初めて見たのがこのジルだった。
Porsche 928S
Porsche 928S
928S - No.J111

 これは上で紹介した935、936と同じセットに入っていた中国製の物で、シャーシにはマルZマークが付いている。フロントノーズには堂々と車名が書かれている。窓は濃いスモークで、薄っすらと中のシートが見える。
928S - No.J111

 こちらは中古で見つけた物で、シャーシのマルZは消された跡が残っている。これはモータマ版と思われる。窓が透明になり、シャーシの色も黒からグレーになった。シートが前すぎ。同じタンポで青もある。




Mustang - No.D49

 香港製の初期の物には大体Zylmexと書かれている。横にはマルZマークも付いていた。
Trans Am - No.4008

 プルバック付きの4000シリーズ。香港製でZEEと書いてある。D番号にもZEE表記の物はある。
936/77 - No.D62

 マルZマークとZYLLが書いてある物。中国製にはZYLLかZEEと書いてあるD番号が多い。


935/76 - No.D55

 右上の936と同じセット(下の42ピースではない)に入っていた物だが、こちらはシールでZYLLと書いてある。
928S - No.J111

 これも同じセットからのJ番号。マルZマーク付き。

KOOL TOYZ KOOL TOYZ
 ジル金型のミニカーはKOOL TOYZという名前でも売られていた。デイトン・ハドソン(Dayton Hudson)が発売元で、1999年の42台セット。ジル買収後の製品のようだ。中身は中国製で、全てD番号のジル金型が使われている。シャーシにはZEEと書かれている物、ZYLLとマルZが書かれている物、ジルブランドは何も書かれていない物が並存している。ジルの名前がない物の中にも、消された跡が残っているのと綺麗さっぱりなくなっている物の2種類がある。また同じ金型でもジルと書いてあるのとそうでない物の違いがあった。ポルシェは935、959、928Sが入っているが、それらはジルブランドなしだった。
(クリック拡大)


 今月はここまで。次はダブルX後編のモーターマックスをやる予定。関連リンクも次回に回すということで。ジルのミニカーは単なるチープミニカーのように見えるけど、もっと古い初期のモデルを手に入れれば感想も変わるはず。現在世の中に出回っているジルの近作たちは、流れ流れて疲労を溜めた末のモデルたちに過ぎない。これからはシャーシにジルブランドがあるやつは意識的に探していこうと思う。
 それと先月からだが、トップページの各項目の画像をクリックして各ページに飛べるようにした。そっちの方が便利だと思ったから。今さらだけど。

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