PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2006/12月号
小スケールのビートルの年式を全て暴くパート1

 このサイトを見ている人は僕がポルシェ党だと思っているかもしれないが、全くその通りだ。しかし過去の特集を振り返れば、ポルシェと同時にワーゲンのことにも触れていることに気付くはず。ポルシェ好きだからワーゲンも好きだと思われるかもしれないが、それは間違いである。父親がビートル乗りの自分としては、ワーゲンあって上のポルシェ好きなのだ。このHPの名前もこれからはVW & PORSCHE TOYSだと思って欲しい。
 という訳で、前年末頃にビートルのミニカーの年式を全て特定することを2006年の抱負にしようと密かに思っていたのだが、今になってそれを実行しようと思う。年越し企画だけど。車好きが道路を走っている車の車種当てをするように、ビートルでも年式当てが行われる。それをミニカーでやるわけだ。ビートルは実車で台数が世界一なだけに、小スケールミニカーでも多くの種類が作られている。しかし「ビートルはビートル」と思考停止している場合がほとんどなので、今回の特集は有意義なものにしたい。でも家にないミニカーは検証できないので、全てのミニカーを暴くわけではない。しかし将来的には全て検証したい。

 検証の前にビートルの大まかな変遷を紹介しておく。
1939年 完成型の生産開始。その後戦争で中断。
1945年 工場を空襲されながらも生産再開。
1967年式 低年式と高年式の中間的モデル。6Vから12Vになってライト形状が変わった。ヨーロッパでは6Vフェンダーのまま。
1968年式 角張ったプレスバンパーになる。ここから高年式車と呼ばれる。
1978年式 ドイツ製ビートル最終年。
2003年 最後までビートルを作っていたメキシコでも生産終了。

 年式の違いを判別するポイントは、ライトの形、窓の形状・大きさ、バンパーの形、スリットの有無や数、マフラーが1本か2本か、ウィンカーの位置、リアフードのエンブレムなど。ただし小さいミニカーなので、細かい部分は省略されて作られていることを考慮する。箱やシャーシに書いてある車名は、ミニカーの形と矛盾がなければ採用する。基本的にドイツ製のオリジナルであると考える。実車と違って完璧な答えが出るわけではないので、年式に幅がでることもある。年数は基本的にモデルイヤーの年数を言っている。

1967年式1500 - Matchbox
Matchbox
 ミニカーは1968年の金型。ライトの形は12Vのようで、小さいテールライトで鼻筋のないリアフードなのでこれは67年。シャーシにはフォルクスワーゲン1500サルーンと書かれ、リアフードにもVW1500と書いてあるので、これは1500と断定する。それとリアフードにエンブレムが付くのは67年からのようだ。アメリカや日本では67は12Vライトになっていたが、ヨーロッパでは古い6Vのままだった。箱絵にはプレスバンパーに12Vライトの高年式風のビートルが書かれていて、ミニカーもプレスバンパーのような形だが、フロントフードやリアの形は67のものに見えるので67年とした。イギリスのミニカーなので12Vの67というのも変な話だが、途中で67から68に路線変更して結果的に12Vの67になったのではないだろうか。

1962〜63年式 - Matchbox
Matchbox
 こちらは最近の2002年の金型。メキシコタクシー風のサンプルしか用意できなかったが、カラーリングは無視する。明らかな6Vフェンダーから低年式であることが分かる。リアウィンドウが四角になった58年以降で、リアフードのナンバープレート灯が小さいのは63年まで。62年にはテールライトが大きくなるが、ミニカーでは大きさの差が微妙で判別できない。この塗り分けはまるで古いライトに見えるが、塗り分けで判断するのは難しいところ。このタクシーの元になったラグトップ版は62年としてリリースされているので、タクシーも同じ仕様であると判断する。62年と決めてしまうのも手だが、タクシー版は特に年式の指定はされていないようなので62〜63であるとしておく。

1967年式 - Zylmex
Zylmex
 サイケな雰囲気のジルメックスはマッチボックスのコピー。形状的に同じなのでこれも67である。しかしリアフードのエンブレムが消えているので、1500、1300、1200の区別は付かない。

1968〜70年式 - Zylmex
Zylmex
 これは上のジルメックスと同じだが、しかし同じではない。品番は変わらずにD20番だが、明らかに金型の改修を受けている。まずバンパーが明らかにプレスバンパー風になった。そしてテールライトが大きくなった。一番すごいのがフロントフードにスリットが付いたこと。明らかに高年式への改造を意図して行った証拠である。ただフロントフードの形はそのままなので、高年式の割にはほっそりした感じを残している。サイドウィンドウの後ろに三日月型の通気口やその跡が見られないので、70年までのモデルと言える。ただし70年の1500はリアフードにスリットが開くので、それは除外する。

1967年式 - Sohbi
Sohbi
 ソービはジルメックスからのコピーがとても多い。サイドウィンドウの形から言っても、ジルメックスの初期のビートルがオリジナルなのは明らか。しかしバンパーが低年式らしいシングルバンパーになった。ということでこれも67とする。ライトがボディ一体となったことで、6Vライトの印象が強くなった。

1975年式1303LS - Siku
Siku
 膨らんだフロントフードとラウンドした窓を持つ1303は普通のビートルとは別物。1302の進化系で、73年から75年まであった。ウィンカーは省略されることが多いが、バンパー内にオレンジのマークが入っているので、ウィンカーが埋め込み式になった75年であると言える。シャーシには1303LSと書かれている。1303LSは1303Sの豪華仕様車のこと。シクはサイドの三日月通気口が省略されている。

1975〜80年式1303LS Cabriolet - Siku
Siku
 一つの車種でセダンとカブリオを出すというは、よく見かけるスタイル。セダンと共通シャーシなので、シャーシに1303LSと書いてある。1303のセダンは75年を最後に生産終了するが、カブリオは78年以降まで生き残っていた。ただし1303のカブリオとして作られたのは確かだが、LSというグレードが最後まであったかどうかはよく分からない。またシートのヘッドレストが途中で一体から別体になるが、ミニカーではどっちにしろ同じような表現になったてしまうので判別できない。

1968〜70年式1300 - Yatming
Yatming
 フェンダーが一見6Vに見えるが、これはアイロン型テールライトの高年式である。ジルメックスの後期のビートルと同じタイプだが、初期のヤトミンにはリアフードにVW1300のエンブレムがあるので1300と断定できる。バンパーはメッキでプレスバンパー風だ。

1975〜80年式1303(S) Cabriolet - Summer
Summer
 サマーのビートルは幌を閉じた状態のカブリオということでちょっと珍しい。2シーターになってしまっているのは、サマーの拘り上仕方がない。低年式風のバンパーが付くが、ビッグテールとラウンドしている感じの窓からして1303である。プレスバンパーにもオプションでオーバーライダーが付いた。細かいグレードまでは特定できないが、リアエプロンに膨らみが見られるので75年以降であると思われる。普通のミニカーならバンパーに隠れていて作られない部分だが、バンパーがかなり下に付いているサマーでは律儀に再現されていた。

1975年式1303 - Maisto
Maisto
 MCトイと同じマイストのビートルは1303。しかしシャーシにはVW1300と書かれている。1303が1300エンジンで、1303Sは1600エンジンなので、これは1300の1303であることを示していると解釈する。フロントのモールが上まで伸びて1303にはワーゲンマークが付かないのが分かる。サイドに小さなウィンカーが見られるので、バンパー内にウィンカーが組み込まれた年式であると言えるが、この小さなちょうちん型マーカーは日本仕様の特徴である。マイストはアメリカ系の会社だからちょっと不思議な出来事だが、これはイマイのプラモデルを参考にしたことが原因らしい。窓の前に付いているスリットが中央で分かれているが、これはイマイのプラモの特徴と一致する。実際のスリットは分かれていない。また1303にしてはフロントフードのボリュームが足りなかったりと、形が悪いのは元のプラモの出来が良くないからだったようだ。

1975年式1303(S) - Realtoy
Realtoy
 どうやらマイストのコピーであるようだ。ちょうちんマーカーと、分離したフロントのスリットがその証拠だが、バンパーがかなり下に付いていて一層格好悪い。フロント下部のスリットよりも下に付くのはありえない。これは数年前にトイザらスにあったケバい色のアクションシティと同じミニカーである。

1972年式1302(S) - Real-X
Real-X
 トミカサイズにあるものは1/72にもあるのがリアルトイ。しかし微妙に仕様が違うのもよくあることで、しかも1/72の方が明らかに力を入れて作っている。これは窓は平面でフロントが膨らんだ1302のようだ。ちなみに平面と言っても、65年からのビートルのフロント窓ガラスは厳密に平らではない。1302は71年と72年の2年間だが、リアフードのスリットですぐに判別が付く。これは72年のタイプである。1200を除けば、72年からこの本数のスリットが全てのビートルに付くようになった。フロントフードにスリットがないのはリアルトイのミス。

1973〜74年式1303(S) - Realtoy
Realtoy
 上の黄色い方のリアルトイと基本的には同じだが、微妙に金型の改修を受けた。リアルトイの中でもかなり初期の頃のこの金型をなぜ改修したかといえば、1/72で出ている1302と同じ仕様にするためであるようだ。そのため、フェンダー上にウィンカーが付き、フロントフードにワーゲンマークがプリントされ、テールライトが変わった(アイロン型にしたかったようだ)。が、肝心のボディは1303のままであるのでかなりおかしな仕様になった。唯一改善されたのは三日月の通気口が付いたことだ。ちょうちんマーカーが付いたままフェンダー上にウィンカーが付いたが、給油口を作ったことで右側だけマーカーが消えた。ここはいっそのこと、左にしかないマーカーは無視して73〜74までの1303であるということにしようと思う。フェンダーのウィンカーはかなり目に付く変更だ。

1967年式 - Kintoy
Kintoy
 特殊な年式である67年は人気のある年式でもある。ミニカーというよりお洒落なインテリアと言った雰囲気のキントイ。バンパーは低年式のものが付き、リアのライトとフードから67であると言える。ライトはかなり垂直に立っていて12Vのようにも見えるが、フェンダーの形から6Vのような印象も受ける。どっちにしろ67であるのでこれで良しとする。日本では67というと12Vが普通なので、6Vの67は馴染みがない。

 台数が多いので今月はここまで。残りはまた来年ということで。次はトミカ、ホットウィールなど。ところで、僕はポルシェのミニカーは驚くほど整理、管理している。が、しかしワーゲンのおもちゃに関しては僕も家族もかなり管理に無頓着なので、この特集のためにミニカーを探すのに大変な祭になった。家ではワーゲンのおもちゃは家族の共有財産みたいなものなので、誰も責任を持って管理しないのである。実際僕の家にはワーゲンやポルシェのおもちゃが溢れているが、ルースのシクのビートルが見つからず、泣く泣く極上ブリスターのオレンジを1台開けた。小スケールミニカーと呼べる物だけでも整理したいが、今のところ買った順番にワーゲンが詰められた箱が家に点在している。

タイトル
リアルトイのキャリアカー

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