PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2006/11月号
再来!京商ポルシェ・コレクション2


 京商第4弾のポルシェ・コレクションから1年と数ヶ月、フェラーリとランボルギーニに続き、第13弾としてポルシェにもコレクション2が登場した。ラインナップは新しい車に偏りがちだが、934や996GT2、944S2、911SCなど小スケールコレクションに目新しい車種が加わった。出来に関してはパート1を遥かに凌ぎ、かなり満足のいく仕上がりになった。ただどの車種もシルバーや黒、赤など同じ色ばかりで、華やかさが足りないのがマイナスポイントになっている。それぞれの車種独自の色をもっと使って欲しかった。10月17日からサンクス、サークルKで発売。今回は996GT3RSが2色で他は全て3色ずつとなり、レアなカラーは発生しなかった。お陰で2ボックスでフルコンプリートできたので、前回同様他メーカー品と比較しながら解説していく。


934
Porsche 934
 930ターボのグループ4レーシング版が934である。1976年に935と同時に登場し、プライベート向けに30台ほどが作られた。930をよりグラマラスにしたボディに、金のメッシュホイールが格好いい。小スケールでは今まで恵まれなかった車だ。934と名乗ったミニカーは京商版が初となる。恐らく最初で最高の934となるだろう。934には他の車種にはない、イメージカラーのオレンジが入る。僕としては黒の代わりに白を入れて欲しかったが、黒も格好いいからいいか。ライト類のパーツも文句のつけようがない。
Kyosho VS Kyosho Kyosho VS Kyosho
 比較するミニカーがないので、パート1の930ターボと比較。車が違うのは承知だが、明らかに今回はクオリティが上がっている。窓もホイールもボディもとてもシャープな出来だ。ヘッドライトも934の方が素晴らしいが、特にテールライトが変わった。造形が良くなってピッタリとボディにフィットし、反射板のPORSCHEの文字が入るようになった。930ではウィングが別パーツだったが、934ではリアフード一体パーツとなり、さらにエンジングリルが別パーツとなった。パート1から値上がりして399円になったが、中身の方はそれ以上の物になっていた。

Carrera GT
Porsche Carrera GT
 ミッドシップV10の、959以来のロードモンスター。ポルシェお得意のポップアップ・ウィングが付く。パート1で当然入るだろうと思われていたカレラGTは、パート2で登場。初めからパート2のために取って置いたのかもしれない。既にシク、ホットウィール、ホンウェル版があるので、特に期待していた車種ではなかった。公式サイトでデカデカと載っているのを見て、少し造形に不安があったが、現物が届いて不安は解消された。エンジン周りの複雑な形もパーツを分けて再現されるが、シルバーと赤はパーツごとの色合わせができていないのが若干違和感を残している。
Kyosho VS Hot Wheels Kyosho VS Hot Wheels
 カレラGTの中で一番のお気に入りのホットウィールと比較。シクもHWもトップ付きの中で、京商はオープン状態を再現した。最近ではサイドミラーが付いてる方が普通になってきたが、あくまで玩具でありながら品質を上げてきたHWのスタンスはとても好きだ。細かい作りは当然京商が上で、ライトの中まで作ってある。タイヤサイズは実際にリアが大きいが、HWは過大に表現される。HWはウィングなどが抜けていないのは仕方ないと思うが、前のエアインテークがボディ色のままというのが欠点。いくらHWでもこれは気になる。それにしても京商はマークとかがとても細かい。

911SC
Porsche 911SC
 車種が増え始めた1978年に、911の自然吸気モデルは911SCに集約される。それまでの911カレラのディチューン版で、フェンダーの膨らんだボディもカレラから受け継いだ。80年には、クロームだった色々なトリム類が黒やボディ色となり、京商版のような感じになる。ホイールも黒のアロイホイールがあったが、標準ではクッキーカッターだった。911SCとは嬉しいモデル化だが、なぜかリアフードにCarreraの文字を入れてくれたお陰で、またややこしいことになった。84年から911SCは911カレラになるが、外観上の変更点はバンパーに付いたフォグランプが埋め込み式になったこと。アロイは引き続きオプション扱いで、テレホンダイヤルが標準だった。このフォグランプを埋め込み式と解釈するならこれは911SCではなく、911カレラということになる。もしちゃんと911SCのエンブレムを書いていてくれたら……、ホイールをクッキーカッターにでもしてくれたら、911SCのミニカーとして受け入れられたのに。と今更言っても遅いけど。台座やシャーシに911SCって書いておいて、何でカレラが出てくるかね?
Kyosho VS Tomica Kyosho VS Tomica
 日本メーカー同士の対決。トミカはビッグバンパー初期の911Sだが、大体同じなので。京商は全体的に筋彫りが細いが、こうして見ると彫りの深いトミカの方が間抜けに見えてくる。プロポーションの方は京商のほうが明らかに実車に近い。でもトミカはトミカで単体で見るといいミニカーだし、どっちも好きだ。トミカはリミテッド版だが、911Sって窓枠はシルバーのはず。でも青箱の絵でも黒い窓枠にシルバーのアロイホイールなんだよね。当時アロイが標準なのはSじゃなくてカレラだし、窓枠が黒いのもカレラ。しかもフェンダーも結構膨らんでる……ということはトミカは911Sではなく911SCになる前の911カレラだったってこと?また面倒臭いことになった。

944S2
Porsche 944S2
 1985年に944ターボが登場、89年には通常の944は944S2となり、ターボと同じフラットなバンパーを持った。パート1の928S4枠で944がラインナップに入った。今まで小スケールにはなかった車種だが、ターボとボディは同じなのでありがたみは中くらい。できれば944の初期モデルの方が嬉しかった。しかし今まででベスト944なのは間違いない。ホイールは当然928S4以上の出来栄えで、後ろのPORSCHEのレターには感動。ターボではないことを示すS2の文字も、とても細かく入っている。リトラクタブル・ヘッドライトなので、フォグランプにクリアパーツが入る。
Kyosho VS Matchbox Kyosho VS Matchbox
 オートアートから944S2とターボが出る予定だが、しばらくは予定のままだと思われるので、マッチボックスのターボと比較。マッチの方が大きめ。マッチボックスは1987年が初出だが、形は京商同様にいい。しかもドア開閉でサイドミラー付き。熱線まで表現されているが、京商はスケール感を出すためあえて入れなかった感じか。京商は細かいパーツ分けをしているが、その分耐久度は落ちていると思われる。中古ルースで京商はまともな状態のがない。元から子供が遊ぶようには作ってないから当然だけど。

Cayenne Turbo
Porsche Cayenne Turbo
 カイエンの特にターボは今まで散々既出で、今風のミニカーがすでに存在しているので、まあ別にいらない車種だった。V6のカイエンやV8のカイエンSなら喜んで飛びついただろう。とは言え、他メーカーと比べても京商版はベストな一台になった。色も他の車種にはない色が用意され、特にゴールドが美しい。でもシルバーを2種類入れるくらいなら、黒を入れて欲しかった。カイエンは明らかに重いので、店頭で残り物になりそう。それでもポルシェ2自体の人気が高いので、結局は全部なくなると思うけど。
Kyosho VS Realtoy Kyosho VS Realtoy
 ハイスピード(黒)と比較しようかと思ったが、京商に黒はないのでリアルトイを選んだ。これからのミニカーの2つの方向性が見て取れる。一つはディスプレイ・モデルとしての1/64ミニカーの道。もう一つはあくまで玩具としての3インチ・ミニカーの道である。リアルトイは1/61ということで少し大きめ。塗りのライトや、メッキのホイールは京商と比べると違和感はあるが、走るミニカーとしてのリアルトイの方が個人的には好きだ。ミニカーの細かさはリアルトイくらいで十分のように思う。しかし横の窓枠はシルバーにした方がいい。

911 GT2 (993)
Porsche 911 GT2 (993)
 パート1で993ターボを出してまた993。993ターボより一年あとの1996年に993GT2が登場する。ツインターボのまま四駆から後輪駆動になった。京商は1998年モデルということだが、96年版と違うのはホイール?ホンウェルがあるのでだいぶ見慣れた車だが、3インチでは今までまともなミニカーは出ていなかった。ホイールはグレーのスポークとシルバーのリムが塗り分けられ、密度感を高めている。ただ、フロントの車高が高くなっているのがマイナス。もっと下げれば良くなると思う。
Kyosho VS Hongwell Kyosho VS Hongwell
 やっぱりホンウェルと比較。ホイールは年式による違いか。ボディの形はどちらもいい。ホンウェルと比べると、京商はライトが小さいように見える。ホンウェルが大きいだけか?ホンウェルはボディ側にサイドのピラーが付くので、窓が奥まっているが、京商は窓とピラーを一体にしている。ウィングはどちらも別パーツだが、京商はさらにエンジングリルを別パーツにして網の隙間を黒くするという凝りよう。でも色が合ってない。それと赤だとフェンダーの繋ぎ目やリベットが曖昧になっている。やっぱりフロントが持ち上がっているのが解せない。それにしても京商のマークの小ささは驚かされる。ホンウェルは黒と金色だけのマークなのに、京商には赤も使われ、さらに小さい。

911 GT2 (996)
Porsche 911 GT2 (996)
 何を思ったか993と996のGT2を揃えてきた。しかし996GT2はまだどこも出していないので、ありがたいモデル化となった。オートアートが前々から同車種のリリースを予告しているが、あっさりと先を越されたようだ。実車は2001年に登場。993GT2と同じく後輪駆動とされた。こういうレーシーな車は白を入れてくれると嬉しい。しかしこの996GT2に限って、車体の平衡が傾いている個体が多い。そのため、片側だけフェンダーとタイヤの隙間が大きく開いて格好悪い。希少車種なだけに惜しいが、オートアートに期待か。
Kyosho VS Autoart Kyosho VS Autoart
 ベースとなった996ターボと比較。品質はオートアートの方が上だ。オートアートはきっちりタイヤとフェンダーアーチを合わせている。ホイールのスポークもオートアートは微妙な曲線を上手く表現し、ディスクブレーキまで作られている。オートアートはタイヤまでプラスチック製だが、将来の劣化を考えればゴムよりも安心できるだろう。窓の張り具合もオートアートの方がいいが、ちょっとサイドのピラーが太い気がする。それに京商と比べるとライトが一回り大きく、不自然に見える。オートアートは他にも発売予定車種が溜まっているので、新作に期待する。

911 GT3RS (996)
Porsche 911 GT3RS (996)
 996の時代から登場したGT3は自然吸気モデル。ここ何年かの間、レースを走る911の多くがGT3だ。GT3RSは2002年登場の改良版。普通のGT3よりも軽量化された。RSと名が付くだけに、カラーリングはかつての911カレラRSを彷彿とさせるデザインで、さらに現代風にアレンジも効かせている。パート1の73カレラの赤帯と青帯はレアカラーだったが、GT3RSはこの二色だけのリリースでむしろ過剰供給になった。リアルトイと1/72のリアルXでも出ているが、やはり京商版を73カレラと並べたい。
Kyosho VS Realtoy Kyosho VS Realtoy
 1/58のリアルトイ版で比較。GT3RSは室内にロールバー付きとなり、京商はちゃんと再現してある。ただ内装が真っ黒で見えづらい。リアルトイはロールバーが付いている製品もあるが、僕が買ったのはそれがオミットされたバージョンらしい。ロールバー付きのも欲しい。サイドのストライプはリアルトイには擦れなどがあり、前後のストライプがフェンダーアーチと離れてしまっている。印象を変えているのがメッキホイール。他の車種とホイール共通にしているミニカーは、どうしてもそこで京商と差が付く。またボディの白色を見ても、京商はアイボリーっぽい温かい色を出している。

Boxster
Porsche Boxster
 最初に986ボクスターが出たのが1996年とずいぶん昔のことになった。今までに実に多くのミニカーがリリースされている。ポルシェ2のラインナップにボクスターがあった時は「ああまたか」と同時に「まあしょうがない」と思ったが、届いて見ると今までのボクスターとちょっと違った。これは986でも2003年にマイナーチェンジしたモデルだった。それまでのボクスターとの違いは、フロントのエアインテークにヒゲが付いたことと、リアバンパーの下部の形状(ディフューザー?)、ホイールなどだ。サイドマーカーのレンズもクリアになった。というわけでこのボクスターも、小スケールのコレクションの中で多少は意味を持ったわけだ。
Kyosho VS Hot Wheels Kyosho VS Hot Wheels
 初期ボクスターを再現しているホットウィールのコレクティブルと比較。ホイールで年式の違いがすぐに分かる。京商にも黄色みたいな色が欲しかった所。HWはヘッドライトのウィンカー部分だけ、クリアパーツではなくボディに色を塗るという形で再現している。マイナーチェンジ後はウィンカー部分との境目が曖昧になったせいか、京商は全部クリアのままとなっている。プロポーションはやはり京商の方が上を行く。HWはちょっと太めか。ミニカーは見た目の違和感を解消するために、太めにデフォルメするのが普通らしい。HWの後ろにオーバーライダーみたいのが付くのはアメリカ仕様?

935/76
Porsche 935/76
 今回の目玉はカレラGTでもGT3RSでもなく、間違いなくこの935だろう。パート1では904と906で日本のレース仕様があったが、今回は935のワークスカラーがナンバー違いで2台登場した。リアフェンダーが四角いのはインタークーラーが空冷から水冷になった、1976年でも後期のタイプだ。タンポ印刷によるマルティーニ・ストライプは素晴らしいの一言に尽きる。ナンバー違いで出してくれたのはとても気が利いている。ホイールの出来も完璧で、ウィングの裏までマルティーニ・マークが付く。全ての小スケールポルシェの最高傑作ではなかろうか。マルティーニの他に白無地もバリエーションに加えられた。
Kyosho VS Zylmex Kyosho VS Zylmex
 1/43ミニカーの画像と合成したと言ったら、絶対信じる画像。このタイプの935は今までジルメックス版くらいしかなかった。画像はシルバーだが、初期には白のマルティーニ仕様もあった。とは言え当然京商ほどの出来ではない。ジルメックス版もそれほど狂ったプロポーションではないが、フェンダーが凸凹でタイヤとフィットしていない。それとフロントフェンダーをもっと下に延長するといいだろう。ここ最近でミニカーは驚くほどの進化を遂げている。このサイズでここまでの物が現れると、誰が思っただろうか。

資料室

 以上で全てを紹介した。出来が良くなったはいいが、車種の偏りがあるのは否めない。911GT系のマシンを連発するくらいなら、964の一つくらい入れて欲しかった。それと60年代以前の古い車にもスポットを当てて欲しい。935という大きなヒットを生み出したが、917、956、550などをまだ残しているのはパート3への布石なのだろうか。
 これで京商は今までに20種類のポルシェをリリースしてきたことになるが、このメーカーの恐ろしいところは「その時」に買わないと後でとても入手困難になることだ。将来コレクションを始める人や、海外のコレクターにとっては、京商は鬼門になるだろう。

Porsche Minicar Collection 2
京商ポルシェ・ミニカー・コレクション2の公式サイト。何弾まで続く?
KYOSHO-MINICAR.COM
京商が売ったり作ったりしているミニカーの公式サイト。

タイトル
今回もガソリンスタンド


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