PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2005/12月号
どれがホントのタイプ番号?


 実質一ヶ月分特集を休止してたわけだが、前回11月号で今回12月号というイリュージョン。今まではn月の頭に(n+1)月号を出すという方式だったのを変えた。ポルシェのタイプ番号に付いては、以前一回触れたが、気になることが浮上してきたので軽く特集を組んでみようと思う。

911 Introduction
 ポルシェの車名に付いている3桁の番号は、ポルシェ社の開発番号であるというのはよく知られている。そして中には実際のタイプ番号とは違った番号を付けられた車種もある。901がプジョーからのクレームによって911に車名を改めたというのは、よく見かける話だ。その後の964や993などの新型も911として発売されている。 (画像:Realtoy 997, Motor Max 996, Realtoy 993, Sohbi 964, Tomica 911S, Yatming 911)
 911の廉価版として登場した912も、社内では902と呼ばれていた車だった。また、1976年に登場した934〜936などのレーシングカーも開発番号をとったものではない(05年6月号「栄光の935」参照)。こうした例は例外であると思われるかもしれないが、果たして他の車は実際のタイプ番号を付けているのだろうか。ポルシェの最初の頃のモデル、356や550、718、804などは実際に開発番号をそのまま付けたものと思われるが、911以降のモデルではどうだろうか。

914, 924, 928, 944 911の傍らで
 ちょっと前に東京の方に行っている兄と会う機会があり、914やポルシェについて語り合った。その時に「924て914の次(2番目)だから924なんでしょ」ということを言われ、ポルシェの車名に疑いを持つようになった。さらに兄の話(たぶん自分の推測)だと、4気筒だから924で、928は8気筒だから928だという。確かにそう言われるとその通りだと思ってしまう。924はその後944に進化するわけだが、944という数字はそれが924の発展版であるということを示すにはあまりにも分かりやすい。これは開発番号ではなく、意図的に付けられた番号ではないか。下一桁の数字が気筒数を表しているという説である。 (画像:Playart 914, Hot Wheels 924, Tomica 928, Yatming 944 全てメタルシャーシのミニカー)
 そう考えてみると、そもそも914という数字も怪しく思えてくる。914はワーゲンのフラット4エンジンを積んだ車であり、フラット6を積んだレーシング・バージョンの名前は916である(市販版は914/6。914/6GTという916に似た車もあった)。しかも916という番号は全く別のものの開発番号だというのが分かっているので、916という名前は偶然ではなく意図的に付けられたことは確かだ。当時911と912を出していたポルシェは91Xという車名で統一させようとした意図があったのかもしれない。
968  しかし968はその法則には当てはまらない。兄は968を928系の車だと思っていたらしいが、968は924系の車で直4エンジンである。確かにそのフェイスと下一桁の8という数字は928を連想させる。それではなぜ968という番号にしたのか、それとも偶然に当たった数字が968だったのだろうか。924、944と来れば次は964とするのがすんなりしているが、964はすでに新型911のタイプ番号として知られてしまっているので、仕方なく928っぽい外見にして車名を968に――というのは考えすぎかもしれない。しかし、かといってそれらの数字が何の意味も持たない偶然的なものであるとするのも、疑問が残る。 (画像:1/43 High Speed 968 Cabriolet)
 968を最後に、新しい番号で登場するポルシェは消えた。現在は911だけが、名前に過去の名残りを持っている。新しい車種はその番号を公開されながらも、別の名称を付けて売られるようになった。

904, 906, 910 90X
 少し時代をさかのぼってみる。901のデビュー頃に904が登場する。この車のエンジンはフラット4、そして次に登場した906はフラット6を積んでいる。さらに906はカレラ6という名称が付けられ、6という数字が強調されている。ここにも、偶然以上のものを感じる。904に911用のフラット6を積んだ車は904/6と呼ばれ、正式には906であるという。カレラ6と904/6に同じ番号が付いていることになる。どちらかが本当のタイプ番号なのか。 (画像:center: Kyosho 904, right: Sohbi 906, left: Zylmex 910)
 カレラ6の後継としては、引き続きフラット6を積んだ910(カレラ10)が登場し、これ以降はもう法則は通用しなくなる。ちなみに910の前に909ベルクスパイダーという車もあった。ただ疑問なのは910の後に907、908、917と続き、番号が前後しているということだ。なぜ番号が後退したのかは今でも不思議に思ってる。
 それと、プジョーは904などの名前には文句を付けなかったのだろうか。当時のモーターショーでは904の看板を堂々と掲げて飾ってたんだけど。その後も90Xの車名を連発してるし。レースカーだから良かったのか。

955 Cayenne, 956 モダンカー
 話は現代まで飛び、2002年にカイエンが登場する。4ドアSUVという全く新しいポルシェなわけだが、タイプ番号はなぜか900番台も中盤の955であるらしい。番号だけから判断すれば、1982年のグループCカー956よりも前の車ということになってしまう。古くは356時代から完全な4人乗りが作られながら、表舞台には出てこなかったことを考えると、SUVもかなり前から考案されていたのかもしれない。それにしても、955というのはちょっと数字が若すぎるような気がするんだが。ワーゲンと共同開発だったわけだし。 (画像:Realtoy 955 Cayenne Turbo, Maisto 956)
Carrera GT  現在現行モデルは997(911)、987(ボクスター)と1000に近い番号になっている。カレラGTの番号はタイプ999であるという話もある(信憑性は薄い)。うちのサイトでは999ということにしてるけど、検索してもそういう事実は出てこない。タイプ980であるとする話もあるが、googleで検索しても同じ画像が出てくるばかり。980というのは911GT1の画像からウィングを消したコラージュ、つまりガセネタである。画像はこちら→CLICK HERE(画像:Pioneer Carrera GT Proto, Realtoy 997)
 2004年にボクスター・クーペのスパイフォトが撮られ、今年登場したケイマンはタイプ番号C7。3桁番号を使い切って移行したと見るのが妥当なところか。C8、C9と続いていくのか、アルファベットの方も変化していくのかは今のところ分からない。

事件は迷宮入り
 ポルシェのタイプ番号に関してこんなサイト(CLICK HERE)を発見。これによれば、928という番号はウィーゼル(WIESEL)戦車のトランスミッションの番号であるとなっている。しかもここに載っているのは全て1948年以前のものである。ていうかタイプ1906とかすでに2000近いんだけど。この表では400番台以降はまばらにしか載っておらず、700番台以降は全て戦車である。戦車と自動車で別々にカウントしていたのか、それともナチス・ドイツに戦車を作っていた事実を隠すために、その辺の番号を全部チャラにしたのだろうか。謎は深まるばかり。
 疑問を投げかけるだけに終わったが、今後判明したことがあれば報告していきたい。もし何か情報を持っていたら、お知らせください。


タイトル
オクタンのガソリンスタンド

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