PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2005/8月号
怒涛の京商ポルシェ・コレクション


 フェラーリ・コレクションに始まった京商の1/64シリーズだが、ランボルギーニ、(なぜか)トヨタ・スポーツカーと続いて第四段にポルシェが発売された。10車種、全29種のシリーズ最多数のバリエーションが登場し、6月28日からサンクス、サークルKから発売開始。911カレラRSの青ストライプが後から追加され、コレクターを騒がせた。
 ボクも通販で20台入りボックスを2個買ったので、今回は京商ポルシェ・コレクション特集。いつも通りのバリ紹介に加え、それぞれ別メーカーのミニカーとの比較を行った。

904 Carrera GTS
Porsche 904 Carrera GTS
 917まで続くレーシングカーの起点となった車。ロードカー的な要素も強かった。透き通るほどのFRPボディで、なおかつ剛性も兼ね備えた全く新しいレーシングカーだった。小スケールでは1/72のホンウェルくらいしか手に入るものがなく、これは嬉しい車種だ。シルバーと赤のノーマルカラーに加え、スカイラインと伝説のレースをした日本グランプリ仕様も3番目のバリエーションとして登場、ホイールもキャップを外したものが付いている辺り芸が細かい。しかしカードに「ポルシェ初の『ミッドシップ』エンジン車」と書いてあるが、これは大嘘。ポルシェは一号車がミッドシップだし、レーシングカーとしても550という前例がある。
Kyosho VS Hongwell Kyosho VS Hongwell
 ちょっと前に出たホンウェルの同車種と比較。最初にホンウェルを手に入れたときは904の実車を見た直後だったので、「なんか細い」という印象だったが、京商はより実車のプロポーションに近いものとなっている。ホンウェルは前後フードを別パーツにしているせいで、形が崩れている気がする。それなのにフロント・フードが開く訳ではないというのも謎だ。ドアの後方に付いているエアインテークはホンウェルは多きすぎで、京商くらいの大きさが正しい。京商はノーマルカラーにはリアに車名が入っているが、ホンウェルよりも、京商の斜め書かれたものが正しい。しかしホンウェルはクリアパーツの中のライトを再現している点で優れている。京商は品質があまり良くないものも。

356 C
Porsche 356 C
 やはり356抜きではポルシェ・コレクションとは言えないだろう。ボクも356一号車か、356Cが出ることを希望していた。そしたら期待通りの356Cクーペ。他のメーカーとダブる車種にならなかったのは良かった。恐らく356Cは小スケールではでは出ておらず、京商が初のリリースとなる。しかし問題もあり、BとCの大きな識別点であるホイールが微妙なこと。Cではホイール・キャップの出っ張りがなくなるのだが、ミニカーのは結構出っ張っている。これじゃ356Bじゃん、という事態に。それと一号車がオープン2シーターだったのに、カードに「オープン2シーターではなくクーペとして設計された。」って書くのはどうかと思う。
Kyosho VS Hongwell Kyosho VS Hongwell
 ホンウェルは356Bだが、Cと同じボディを持っているのでこれで比較。ホンウェルにはどういう訳かGT2と同じホイールが付いているので、それに比べれば京商の方が雰囲気が出ていて良い。ホンウェルは前後にPORSCHEの文字が入るが、京商はこのミスをせず、ちゃんと後ろだけにエンブレムが書かれている。ホンウェルのツーピース構造のバンパーに対し、京商はワンピースだが、そのお陰でオーバーライダーを貫通したマフラーまで再現している。ヘッドライトはホンウェルにはバリがあり、京商の方が良く出来ている。京商はいきなり型がゆるい感じになっているのはまあいいが、テールライトに違和感を感じる。なんか怒ってるみたい。

906
Porsche 906
 マニア的にはこれまた嬉しい906だが、904とキャラが被っているような気がしなくもない。車高もボディも低くまとまり、実車以上のカッコ良さが見られる。旧車のラインナップの中では一番の出来ではないだろうか。バリエーションは控えめで、ノーマルの白とレース仕様のみ。8号車は、1967年の日本グランプリで生沢徹が乗って優勝した車。この年は3台の906含めて9台しか出ていなかった。
Kyosho VS Sohbi Kyosho VS Sohbi
 906は案外色々なメーカーからリリースされている。が、しかしボクが持っているのはこのSOHBIだけ。SOHBI版は車高高すぎ、4人乗り、エンジンどこ?、何この変な色etc……で、かなりの面において京商の方が勝っているのだが、ボクはこのSOHBIのミニカーが結構好きだったりする。SOHBIはテールの跳ね上がりが足りない気がする。京商にはヘッドライト下に空力版が付いているが、SOHBIのように付いていない車もある。それとSOHBIは結構コンパクトなミニカーだが、京商はそれよりもさらに小さい。いわゆるトミカサイズを愛好する者には、1/64というスケールは少々小さいようだ。SOHBIの良さはその丁度いい大きさにある。

911 Carrera RS 2.7
Porsche 911 Carrera RS 2.7
 ポルシェ・コレクションの目玉である911カレラRS2.7いわゆるナナサンカレラ。国内外で高い人気がある車だが、小スケールでは今まで恵まれなかった車種。最後のナロー911であり、935まで続く911系レーシングカーの最初となった車である。定番の白に赤ストライプのものと、黄色と緑があり、後から白に青ストライプのものが追加された。この追加のせいでバリエーションが4台に増え、白の生産台数が赤帯と青帯の2台に振り分けられることになり、結果的にこの2台はレアになってしまった。かくいうボクも2箱予約したのに青ストライプだけ揃わなかった1人。2箱予約組には、1/3の確立でフルコンプリートできる中身の箱が届いたようだ。
 ナナサンカレラではバンパーにストライプと同色のシールが貼られるのがデフォルトのようだが、ミニカーでは全色共通で黒い線が入っている。ナナサンカレラにも3種くらいグレードがあるので普通の911と同じくバンパーにラバーが付いたバージョンを再現していると思われるが、それならリア・オーバーライダーをシルバーにして欲しかった。ていうか、ストライプ同色のラインが入った方が良かった。あとホイールのボルトの位置がおかしい。本来はスポークとスポークの間に配置されるべき。
Kyosho VS Hot Wheels Kyosho VS Hot Wheels
 これまでナナサンカレラといえば、これしかなかった。元々はコーギーの金型で、特に画像のモデルはファイナル・ラン寸前のもののため型が甘くなっている部分もあるが、最初からそれほど優れた金型とも思えない。見て分かる通り、京商の方が実車のイメージに近く、HWはかけ離れている。良く言えば京商はミニチュアカーであり、HWはミニカーなのである。京商はルーフからリアにかけてのラインに少し不自然さを感じるが、HWと比べればかなり満足できる形になっている。ただやっぱりちょっと小さいのが個人的には残念。コーギー金型は大振りすぎるけど。

911 Turbo (930)
Porsche 911 Turbo
 ナナサンカレラと並ぶ定番の930ターボ。コレクティブルのHWは大型リアスポイラーを付けたターボ3.3をモデル化していたが、これは初期のターボ3.0。やはり930で想像するのはこちらのタイプであろう。個人的にはビッグバンパーの911は初期のノンターボ・モデルが好みだが、ターボにもターボの格好良さがある。精巧なホイールがこのミニカーの魅力を引き出しているのだろう。赤がないのが不満だが、この3色もどれもいい色だ。ラインナップが発表されたときは、黒の代わりに赤を入れて欲しいと思ったが、現物を手にとって見ると黒が最もクールな1台だった。 
Kyosho VS Tomica Kyosho VS Tomica
 日本メーカー同士の対決。トミカはトミカでもリミテッドの方。京商と比較するにはうってつけだ。トミカは金型が古く、元々レギュラー・ライン用だったことを考えると仕方のないことだが、ここでは京商の方が上である。トミカは通常品なら中々いいミニカーだが、リアル路線のリミテッドになると形の悪さが目立つ。全体のプロポーションは京商の方が実車に近い。ホイールの出来も、トミカは深さが全然ないのでカッコ良くない。納得行かないのはトミカはウィンカーがアメリカ仕様なこと。しかしトミカは品質自体は高く、不良品はあまり見かけない。まあリミテッドの方が値段が高いから当然といば当然だが。

959
Porsche 959
 やはりここも押さえておくべき車、959。これまで多くの大小メーカーから発売されてきたが、当時の技術を終結させて作られた色々な車の先駆車であるので、ポルシェ・コレクションには欠かせない。標準スケールのような精密なモデルの「コレクティブル系」が最近多く作られるようになったが、その中では959は初なんじゃないだろうか。旧車のサイドミラーは微妙だが、この辺からの新しい車のミラーは良く出来ている。色はどれも見たことのある定番カラー。シルバーが特に美しい。 
Kyosho VS Welly Kyosho VS Welly
 数ある959のミニカーからチョイスしたのは、意外かもしれないがウェリー。実は959のミニカーって今まで京商と比較できるようなモデルはあんまり出ていない。トミカあたりは結構いいと思うんだけど、比較に適した個体を持っていないので、リアウィングを別パーツにしているという共通点を持つウェリーを選んでみた。京商は他の車種同様隅々に気を配ったモデルで、おざなりになりがちなリアウィングやフェンダー上の穴、前後サイドのヒゲ、マフラーなんかもちゃんと再現している。それと、ウェリーと比べてルーフが低くなっていて、実車を連想させる。

928 S4
Porsche 928 S4
 なぜか小スケールでは大量発生している928。京商ではラインナップが911だらけになるのを防ぐために入れられた感じ。コンビニで買ったら928でガッカリしている人もいるのではないだろうか(ボクは結構いいと思っている)。928はトミカ、マッチボックス、ホットホイールといった大手から弱小メーカーまで多くの会社からリリースされているが、それらの多くはデビュー時の928をモデル化している。その中では928S4というのは少数派で、今まではSOMAとマジョレットしかなかった。まあどうせならGTSとかを出して欲しかったような気もするが。928は924系と共に進化していくが、結局どちらもポルシェの不景気を救うことは出来ずに生産終了している。 
Kyosho VS Realtoy Kyosho VS Realtoy
 SOMA金型のリアルトイを選んでみた。マジョレットの方は妙にフロントが持ち上がっていてあまり好きになれない。ミニカーの質としてはマジョよりリアルトイの方が劣るが、ボクはこっちの方が好きだ。リアルトイはサイドのプレスラインやウィンカー、ライトなんかも結構綺麗に作られているが、ボディが1色塗りなのと、SOMA金型の特徴でフロント部分がプラなので京商に比べてかなり見劣りする。しかし京商はリアタイヤの被り具合が足りない気がする。フェンダーを下げて、タイヤがちょっとフェンダーに入るくらいがカッコいいと思われる。それとホイールの穴を開けるか、黒く塗るかすればもっと実車の雰囲気に近づくと思う。

911 Turbo (993)
Porsche 911 Turbo
 まだまだポルシェも自動車業界も不景気な頃で、ヘッドライトが寝るという大きな変化があったのに、当時の大手メーカーはほとんど手を付けなかったのが993だった。993がデビューしたときボクは小学校に上がるくらいだっただろうか。993はここ何年かでオートアートやホンウェルやらが出て車種が揃いつつある。そんな中で京商が出してくれたのがターボ。色に関してはどれもいい。個人的にはワインレッドが定番カラーだ。クリアのウィンカーを白でごまかしているのはちょっと不自然かもしれない。書くことがないのか、カードには「最後の空冷911」ということが2度も書かれている。そこまで強調することないのに。 
Kyosho VS Summer Kyosho VS Summer
 これまで唯一の993ターボだったサマー。入手は比較的簡単。しかしわざわざ買ってない人も多いんじゃないだろうか。チープミニカーとしてその名を馳せている(?)サマーだが、これはその中でも特に出来がひどいシリーズ。ボクはもう何を書いていいのか分からない。リアウィングだけは結構頑張ってるかな?フロント廻りの造形が良いとは決して言わないが、実際手に入れて見るとボディ後半の形がゲラヤバい。それと比べると京商はトミカと同じ価格とは思わせないほどの良質ミニカーだ。

911 GT1-96
Porsche 911 GT1-96
 フェラーリやランボルギーニと違って、ポルシェにはレーシングカーの車種が含まれているが、最近のレースカー代表としては911GT1が並んだ。トップクラス用のマシンとしてはGT1が最後で、この車以来ポルシェはレース活動から撤退している。京商が出したのはGT1の中でも一番最初の1996年仕様。しかしGT1-96はタイガー・ホイール(入手困難)とマッチボックスで既出なので、この車種選択にはちょっとガッカリ。というのもGT1は97がまだモデル化されていないからだ。カードには「1996年のルマンで総合優勝」と書いてあるが、GT1が優勝したのは98年。96年はプライベート・チームに1位を取られ、GT1は総合2位、クラス1位となっている。 
Kyosho VS Matchbox Kyosho VS Matchbox
 細かい作りは当然京商の方が上だが、全体的なフォルムとしてはどちらもかなりいけてる。マッチボックスはプラ製のリアウィングも抜かりなく形を再現している。京商はフェンダーのアーチが不自然で前輪の隙間が開いているが、マッチボックスは綺麗にフィットしている。しかしマッチボックスはメッシュ風ホイールで雰囲気を出しているものの、子供のおもちゃ的なカラーリングなのがイメージダウンになっている。今まではHWやマッチボックスも、タンポ印刷を用いた華やかなカラーリングが主流だったが、これからは小スケールの世界も色からホイールまで実車志向の時代になっていくのかもしれない。

911 GT3 (996)
Porsche 911 GT3
 新型車代表として入れられたのは意外にも911GT3だけ。ボクスターやカイエンなど新世代の車はラインナップには入らなかった。特にカレラGTを期待していたのでちょっと物足りない感じがする。しかしこれも中々カッコ良くできていて、色の選択もいい。筋彫りが消えてしまっているが、ボクは黄色が特に好き。地味な色の中で華やかだし、自分の中でのイメージカラーだからだ。一番良く塗れているのはシルバー。白や黄色などは角が出ないように厚く塗っているらしく、その色の車はどれも形がゆるくなっている。 
Kyosho VS Hot Wheels Kyosho VS Hot Wheels
 小スケールではHWがGT3を出しているが、HWが1999年のGT3 CUPをモデル化しているのに対し、京商は2003年以降のGT3を出してきた。リアウィングの違いと、ヘッドライトがターボ顔になったので見分けがつく。GT3 CUPは完全なレース向けなので一人乗り、ロールバー付きの内装だが、普通のGT3は内装も普通の911と同じ。HWも最初出たときはいい形をしていると思ったが、こうして見てみると横幅やサイドのエアロパーツなどが強調されてデフォルメされていることが分かる。こういうデフォルメ具合が小スケール・ミニカーの良し悪しを決めると思うが、京商は実車をそのまま小さくした感じだ。

資料室

 というわけでこれで全車種紹介。京商は今までのフェラーリやランボルギーニも人気が高く、海外からも注目されていた。今回ポルシェが発売になったのでボクも手を出すことにしたものの、群馬県にはサンクス/サークルKがないらしく、100%通販に頼ることになった。大人買いしたのは初めてかも。車種構成にはイマイチ納得できない部分もあるものの、ポルシェは車種が多いので中々難しいのだと思う。917や935、カレラGTを目玉にしてポルシェ第2段を出せるくらいの車種はまだ残っているが、しばらくは勘弁してほしい。色違いとかなら別の形で販売してくるかな。

Porsche Minicar Collection
京商ポルシェ・ミニカー・コレクションの公式サイト。第5段の発表はあるのか?
KYOSHO-MINICAR.COM
京商が売ったり作ったりしているミニカーの公式サイト。

 画像の量が多くなりそうだったので2回に分けようかとも思ったけど、旬のものなので一気に紹介。画像を繋げたりして容量を減らしている。来月号はあるのかという心配が最近感じられつつある。
タイトル
今回はガソリンスタンド

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