PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2004/10月号
小スケールでボクスターを徹底比較

 90年代、ポルシェは経営危機に陥っていた。911に変わる新しいポルシェとして誕生した924や928も、成熟しきって消え行く運命にあった。ポルシェは964という形で911の延命にかかった。91年ポルシェ初の4ドアクーペになるはずだったタイプ989は、フロントにV8を積んだ完全な四人乗りではあったが、フロントを除くボディ・シェイプは後の新911タイプ996のラインだった。そして短い964時代の終盤に、ボクスターのプロトタイプが発表された。その顔は後の996に共通するものであることは言うまでもない。
 ボクスターは新しいポルシェの幕開けだった。ヴィーデキング氏が新しいリーダーとなり、911は993を経て水冷996へと進化した。996とボクスターの二台体制で、ポルシェの売り上げは伸びていった。現在ポルシェはスポーツ・クーペの911、2シーターオープンのボクスター、SUVのカイエン、スーパーカーのカレラGTという賑やかなラインナップを取り戻している。
 実車の売り上げが良かったために、小スケールミニカーでも多くのメーカーからボクスターがリリースされた。小スケールのボクスターは見渡す限りのモデルを入手したので、ここで各ブランドのボクスターを比較していきたいと思う。それぞれのモデルは、できる限り最初にリリースされたバージョンで紹介していこうと思う。
Majorette
Majorette

Majorette/マジョレット

 ボクスターのモデル化がダントツに早かったのが、仏マジョレット。ボクスターはプロトタイプのまま発売しない時期が長かったので、ミニチュアからおもちゃまで多くのプロトタイプ・ボクスターが生まれた。小スケールでは唯一マジョからリリースされている。当時このモデルはこの青のものと、シルバーに赤のタンポを入れたモデル(レース仕様?)の二色が同時に登場した。この二つのモデルは小スケールで最初のボクスターとなる。
 ボディ後半から後の生産版との違いが見て取れる。しかしフロントは996に受け継がれるものとほぼ一緒。ヘッドライトはクリアパーツだが、今回用意した中でクリアパーツでライトを表現しているモデルはマジョだけである。意外だ。ウィンドウは何の縁取りの細工もしていないもの。内装はドアの内張りまで再現してある。シャーシには1/60と書いてあるが、たぶん嘘。他のブランドと比べても大きい。
 これ、スーパーというシリーズだか分からんが、ボディを左右に押し付けるとハンドルが切れる(タイヤが曲がる)というギミック付き。これがなかなか愉快愉快。
MAJORETTE

Maisto/マイスト

 生産型ではマイストが一番早かっただろうか。何れにしろ、トイザらスやダイソーで安く売られていたので、真っ先に浸透したのがマイストであろう。996のリリースも早く、ポルシェ・コレクションにマイストは欠かせない。
 全体的な形は良い。これはマイストのどのモデルにも当てはまる。しかし窓はサンバイザーは表現されているが、縁取りのキャスティングや塗装はされていない。オープンなので内装は付いているが、ドアの内張りはない。それと、最も不自然なのはライトが前後とも塗られていないということである。こんな手抜きミニカーは他にない。リアにBoxsterの文字を入れる前にヘッドライトだけでも塗って欲しかった。ボクスターはライトがノーズにのっぺりと張り付いているので、塗られていないと不自然だ。
 色違いの少ないマイストだが、黄色以外に赤色が存在するよう。こういうレアな色違いは大概エドカーブランドから出ていると思うのだが。マイストもカラバリが増えれば楽しいのに。それ以外に黄色でコカコーラのタンポが入るもの、最近では新ホイール版が出ている。
MAISTO
Maisto
Maisto
Siku
Siku

Siku/シク

 一見取り外し式のソフトトップかに見えるが、これはハードトップである。ちなみに本物ではオプション装備。同シクの996カブリオはソフトトップになっている。
 ポルシェ本家のあるドイツのメーカーシクもやっぱりモデル化。最近屋根が脱着化になっているパターンが多い。シクは996ではクーペもカブリオも(金型は全く別物)ヘッドライトがクリアパーツになっているが、ボクスターは塗装である。折角だから、ミニカーもヘッドライト全部共通にしたらおもろいのに。
 内装はドアの内張りまであるが、真平ら。ウィンドウは縁取りはしてあるが、塗装はない。サイドミラーはキツキツのブリスターの中で塗装が擦れていることが多い。ライトは前後とも彩色してあり、大きめだがずっしりと重く好感の持てるモデル。メッキではないホイールが重厚な雰囲気を作り出している。ナンバープレートがキャスティングしてあったりと、シクらしいモデルだ。
SIKU

Yatming/ヤトミン

 800番台など最近チープなモデルが目立つが、1000番台ではまだ従来通りのミニカー作りがされている。これはハードトップを装着したところをミニカーにしたもの。見ての通り取り外しはできない。小スケールで唯一ドア開閉ギミック付きのボクスターである。
 ヤトミンらしく小ぶりなモデルで、他のどのブランドよりも小さい。全体的な形はよいが、いろんな所の形がユルい。粘土細工のように不細工な部分もあり、塗装にゴミ入りまくりで品質には問題がある。ライトは前後とも色付だが、フロントはウィンカーが関係なくシルバーに塗られ、リアは少し雑な気が。同ブランドの993よりは良いでき。
 ホイールは標準でワイドが付く。フルタのR-Type Carでチョコと一緒に食玩としても売られたことがある。
YATMING
Yatming
Yatming
Tomica
Tomica

Tomica/トミカ

 我らがトミカ・ジャパンもボクスターをリリース。青箱消滅以降、ラインナップの殆どは日本車のトミカだが、時たま外車を出したりすることがある。最近ではランボルギーニ・ムルシエラゴなど「外車出すのにそれかよ」と思わせるようなトミカを愛さずにはいられない_| ̄|○。実は僕は湾岸ミッドナイトのアンケート葉書に「青箱復活(ボクスターなど)」と書いて送ったことがあった。
 形はエッジが効きすぎかと思うような面もあるが、全体的にはOK。微妙に赤みがかったシルバーに赤の内装が良く映える。落ち着いた色合いがトミカらしく、毎度御馴染みの貧弱なホイールがトミカらしい。
 ウィンドウはスモークで、縁取りやサンバイザーはあるが、塗装はされていない。ドアの内張りはあるが造形はなく、ダイキャストで再現したダッシュボードは形がテキトー。マフラーはボディが凹んでいるにも関わらず付いていない。ボディ色がシルバーでもちゃんと前後ライトが塗られており、テールライトの細長い部分も彩色してあるが、ライトの丸の筋彫りをしてしまったので、両目開きでカッコ悪い。ボクスターはシートのヘッドレストの所にロールバーが付いているのだが、トミカにはそれが再現されていない。箱の実車の絵にはちゃんとあるんだけど。
TOMICA

Matchbox/マッチボックス

 小スケールの元祖マッチボックス。今やケバケバホットウィールのマテルのものに。レギュラーHWでリリースされていないボクスターをマッチボックスから発売。ホイールもHWナイズなものに。
 他ブランドよりも気持ちだけ大きいくらいで、形は良い。地味なシルバーが映えないが、他の色だと印象も変わると思われ。ただシルバーだからなのかヘッドライトが塗られていない。そこが最も惜しい。
 その他、ヘッドライトの下回りが窪んでいたり、給油口が窪んでいたりするのが、ちと痛い。テールライトは中央のバーまで赤く塗られ、Boxsterタンポが付くが、ライトのタンポが金型の線と全然一致していないので目が怖い。
 同ブランドの996カブリオでは窓の縁取りがボディ同色となっているが、ボクスターは未塗装のまま。ていうか、996のカブリオとボクスターを両方リリースしている辺り、ポルシェのモデル化に熱心だ。
MATCH BOX
Matchbox
Matchbox
Welly
Welly

Welly/ウェリー

 ウェリーといえばプルバックモーターが特徴だが、他のミニカーと同じ土俵に立たせるためノーマル版を選んでみた。マイストと同型のホイール(さらに言えばマッチと似てる)で、入手場所に困るためあまり手に入らなかったりする。ノーマル版は青以外に何かあったっけ?
 これは全体的なパッと見はなかなか良く、ウィンドウの縁が黒く塗られていたり、小さ目のポルシェマークが効いている。サイドミラーが付き、ドアの内張りはない。で、これ、横から見ると分かりいいが、ヘッドライトの形が変だ。他のミニカーと比べても絶対変。もう少し平らになればいいと思う。後ろにBoxsterタンポが入るが、ライトが塗ってないのがちと寂しい。しかし、フロントのエアインテークが綺麗に墨入れしてあるのがグー。妙なところに凝ってるな、ウェリー。
WELLY

Motormax/モーターマックス

 ZEE時代の独特なミニカーから路線変更したモーターマックス。ウェリーやリアルトーイのように品質向上を狙ったのかもしれないが、各部のディテールは凝っているものの全体的な完成度がイマイチだったりする。シャーシのハマり具合も悪い。
 内装はドアの内張り含めてしっかり作ってある。ライトは前後とも塗ってあり、ポルシェマークが付く。ウィンドウの枠も塗ってある。しかしマークの大きさは中途半端で、前輪の隙間が少し気になる。そしてプロポーションが悪い。写真で比べると大して変わらないが、手に取ると出来の悪さがよく分かる。他のモーターマックスの金型もそうだが、ちょっと見良い出来に見えるが、よく見ると形が変なモデルが多い。
 サイドミラーが付いているが、折れやすいので注意。トイザで7台パック買ったら、ボクスターのミラーが片方折れていた_| ̄|○。
MOTOR MAX
Motormax
Motormax
Realtoy
Realtoy

Realtoy/リアルトーイ

 品質向上で密かなトイザらスの人気者リアルトーイ。多数登場した新金型の中にハードトップ付きのボクスターが含まれていた。発売当初ボクスターには紫、黄色、黒、ダークシルバーの四色が用意されており、僕は全て揃えるために10台セットまで買ったが、最終的には四色ともシングルでリリースされた。
 出来立てほやほやなだけあって、とても綺麗なミニカーだ。塗装とウィンドウの透明度に見とれてしまう。リアルトーイらしく、ライトは勿論のことエアインテークや、サイドのウィンカー、窓枠なども塗られている。全体的な形も良い。ヤトミンでハードトップ付きが出ているので、どうせならオープンならよかったのだが、最近のリアルトーイでオープンボディのってあったっけ?
REALTOY

Racing Champions/レーシング・チャンピオン

 このブランドのことはよく分からんが、ジョニー・ライトニングと同じ感じで高級路線だと思うのだが。アメ車やら同国のレースカーをモデル化してるというとこか。対象年齢8+だし。
 で専用パッケージのこれ、ちと大きめだが、結構良い形と思う。開封してないから分からないが、シクと同じくらいの大きさ?ハードだかソフトのトップは脱着可能のように見える。
RACING CHAMPIONS & ERTL
Racing Champions

 以上全9ブランド+1ブランドのボクスターを紹介した。現在の911もボクスター人気(カイエンやカレラGT人気)に支えられてポルシェの主力の座についていると言っても過言ではない。小スケールでも996は出していないが、ボクスターなら出しているというメーカーがいくつかある。目に付くブランドからはどこでもボクスターを出している。ノレブからもハードトップ付きボクスターSがリリースされている。小スケールで唯一のSモデルか?しかもノレブはボクスターだけ生産数が少なくてレアという噂もある。ちなみにノレブはライトがクリアパーツになっている。100%HWからもボクスターが出ているので、あとはジョニー・ライトニングが出ていないくらいだろうか。
 911よりもリリースが多いのは、かつて928のミニカーが930ターボ以上に氾濫したのと似ている気がする。最近は権利の問題が厳しくて、ユルからコピーモデルが続出することは少なそうだが。
 今回どれが最上のモデルとは言わないが、それは人それぞれの観点で決めたらいいことだと思う。僕的には形重視でマイストやらリアルトーイが良いと思った。色がよければ、マッチボックスも良いモデルではないかと思う。ちなみに一番色違いを出しているのはマジョレット。毎年でてます。
タイトル画↓
 それと、04年8月22日に当サイトは五周年を迎えました。特集は今回で19号目です。ちなみにあとしばらくは特集ネタに困ることはありません。五周年記念トップ画

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